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特集:KONAMI ACCELERATOR 2023|「AI+カメラ」が未来のサッカー選手を発掘

Jリーグ元社長・小西氏/KONAMI・小林常務ロングインタビュー(3)

ロングインタビュー最終回は元Jリーグ社長、小西FC代表の小西孝生さんとコナミデジタルエンタテインメント常務執行役員、小林康治さんのお二人に、世界で成長するスポーツ・テクノロジースタートアップの可能性について語っていただきます。

ここで取り上げる企業は、スタートアップのデータベース「Crunchbase」に登録されているもので、創業から10年以内で累計の調達額が1億ドル以上の条件で選定しています。

オンラインフィットネスの可能性

Pelotonが開拓したコネクテッドフィットネスの市場はFuture(2017年創業・1.1億ドル調達)のようにアプリ中心モデルからTonal(2015年創業・4.5億ドル調達)のようなウェイト特化型、Zwift(2017年創業・6.2億ドル調達)のようなエアロバイク連動、AIを取り入れたOxeFit(2019年創業)などが出ています。コロナ禍で需要が顕在化したオンラインフィットネス、お二人はどうみたのでしょうか。

小林:フィットネスを家でやるニーズは確実にありますよね。「健康」自体は人間普遍のテーマですから、コロナ禍でパーソナライズされたメニューを気軽に提供してくれたりすれば、よりニーズが高まるんじゃないかと思います。ただ、これ設置するのにかなり丈夫な壁が必要そうですよね…。

小西:日本の家屋でこれを置くのはなかなかハードル高いでしょうね。アメリカのように広い家などの環境がある人たちにとってはいちいち行かなくていいし、便利なんじゃないかなと思いますが、国内でスタートアップがこれをやるのはちょっとハードルが高いかもしれない。より日本の環境に適したアイデアが出てきてくれれば成功するかもしれませんね。

小林:アメリカでは当社の「DanceDanceRevolution」の家庭用のゲームにダンス用のマットコントローラーを付属させたんですが、ダイエット目的で遊ばれる方もいてヒットしました。フィットネスというカテゴリーそのものはニーズや可能性はありますよね。

AI+カメラが未来のサッカー選手を発掘するかも

続いての話題は「スポーツのデジタル化」です。スポーツレコード・分析カメラの「Veo(2015年創業・1.1億ドル調達)」は180°パノラマ撮影とAIによる自動追尾で、例えばサッカーなどの試合を録画し、その後の分析に活用できるカメラです。キックオフやハーフタイムといったイベントを自動検出したり、映像に指示を書き込むことでチームミーティングなどにも活用できると謳っています。

小西:日本でも同様の取り組みをしている事例がありますね。どちらかというとプロリーグはプロリーグで、プロクラブはプロクラブで独自に開発していることが多く、統一されている状況ではありません。他のクラブには自社の独自ノウハウを使われたくないという思惑もあるでしょう。また、ガンバ大阪だとパナソニックなど親会社との関係もありますよね。むしろ必要とするのは大学だったり、高校だと思います。

例えば150人を超える部員がいて、2軍や3軍まであるくらい規模が大きな大学のサッカー部では、1軍しか公式戦に出られないので残りの部員は練習試合しかできないんですよね。紅白戦をやったりするわけですけども、その全ての練習や試合を監督は見られないので、こういうデジタル技術を使ったもので見られるのは凄く便利だと思います。それぞれの選手が自分たちのチェックも出来て、例えばサブスクリプションサービスで学校のサッカー部が毎月いくらかを頭割りして部費に追加して払っていくっていうのはあるかもしれないですね。

小林:チームマネジメントには向いている気がしていて、サッカーでも野球でも動画を撮りっぱなしにしておいて、例えば縁の下の力持ち的な評価や怠慢プレーの指摘など、一定の合理性を持った選手査定に使えそうな気はします。ただ、サブスクリプション形式でビジネス利用が主流でしょうから国内の事業としてはどうでしょう、ひと工夫が必要そうです。

小西:そういえば、今回の日本代表に伊東純也選手が選ばれているんですけど、彼は神奈川大学の試合をたまたま見に来たスカウトが発掘したんですよ。見に行ってなかったら試合での活躍も知られず代表にも召集されてなかったかもしれません。選手の発掘のツールとしてはすごくよさそうですよね。

小林:漏れなくデータベース化されると確かに逸材が発掘できる可能性はありますよね。

eSportsと教育の組み合わせ

最後にテーマとして取り上げたのがeSports、特に教育との組み合わせ事例です。PlayVS(2018年創業・1億ドル調達)は高校生向けのeSportsプラットフォームです。55万人の登録ユーザーが6万回以上(今年1月時点)の大会を開催しており、26州の高校協会連盟と協力して教育現場でのeSports活用を推進しています。導入した学校では、生徒の成績や社交性、出席率の向上がみられたそうです。ちなみに実施できるゲームのレーティングは10代以下のゲームのみ。

小林:一般論としてですが、ゲーム業界が抱えてる課題として若年層の方に遊んでもらうというのは大きな鍵なんです。当然人口も高齢化してますし、子供も少なくなってます。学生の段階からエンタメの可能性があるものに触れていただく機会を創出する面では賛同される可能性はあると思います。それと複数人数でコミュニケーション取りながらやるので、確かに社交性とかは上がりそうですよね。

小西:日本の学校教育にも(eSportsを)取り入れていかなきゃダメだと思います。学校は「そもそも勉強する場所」という考え方があったり、スポーツをするのも体育という授業の枠組みの中で行われるので、学校に行くのが楽しくなるような新しい活動をもっと提供していかなければダメだと思うんです。ただ、なかなか進みにくい。「何かあったら困る」とか、慎重姿勢の意見は必ず出てくるので。

小林:今年の東京ゲームショウで発表した「桃鉄の教育版(※ブラウザ版『桃太郎電鉄 教育版Lite ~日本っておもしろい!~』)」、 で、福岡市の小学校で実証実験をやったんですけど、子どもたちに好評だったと聞いています。ゲームが各地の名産品とか特産品を知るきっかけになっても良いと思います。自分自身も覚えましたからね、桃鉄で。取り組みに賛同していただける方が多かったようで、想定以上の問い合わせをいただています。

小西:ふるさと納税ぐらいでしか地域のものに触れませんから、そういったゲームを通して学べる機会というのは有益ですよね。

スタートアップとの共創に期待

元Jリーグ社長、小西FC代表の小西孝生さん(写真左)コナミデジタルエンタテインメント常務執行役員、小林康治さん(写真右)

ロングインタビューの終わり、対談を終えたお二人にこれから取り組むスタートアップとの共創に期待することをお聞きしました。

小西:去年、バスケットボールの琉球ゴールデンイーグルスが沖縄にアリーナを作ったんですけど、60台のカメラが設置されていて自由視点映像が撮影可能になっていました。テクノロジーを使った視聴体験の変化は実際、去年からバスケット界では既に起きてるんです。ただ、素晴らしいハードは設置されているけど、それをどう使ってというアイデアの創出にとても課題がある。バスケットボールもそうだし、野球もサッカーもそうだと思うんですけど、自由視点映像や撮った物が膨大にあるんだけど、それをどう使って誰のために何するのか、みたいなところまで活用できていない。とりあえずブツは作ったけどどう活かしていこうか?という部分が足りない。

スタートアップの方にはハードウェアが全部あって、さらにコンテンツも揃っている状況でどのように展開していくか、その解決策を色々考えてアイデアをいただけるとスポーツ団体やチームはすごく助かります。あと、海外を模倣するのではなく、日本発のスタートアップの人たちの知恵で、グローバルに輸出できるものをどんどん出してもらいたいという風に思いますよね。

Jリーグも現在、社会連携活動をやっていて、要はスポーツで社会の課題を解決することをテーマに全クラブが活動しています。

スポーツには社会問題を解決する力が確かにあると思うんですけど、スポーツ側にもスポーツが抱える様々な課題を解決して欲しいんですね。スポーツの課題を解決するために、みなさんのアイデアとか知恵を出してもらって。ただ全員が良いと思うものは大体失敗しちゃうんですよ。尖っていないので。自分が面白いとか、自分はこれがあったら使いたいのにというようなものを考えてもらって提言、提案してもらえるとすごく嬉しいです。

小林:スポーツを楽しむ視点はいくつあってもいいと思います。我々はコンテンツじゃなく、総合サービスを展開していると思っていて、そこで我々が日々培ってきたものだったり考えられる範疇「じゃないところ」、本業で手の届かないところのゼロ・ベースでの提案を、やはりスタートアップの若い力に求めたい。

我々が常識だと思ってることが非常識の可能性が高いので、そういうところに切り込んでKONAMIのこういうものを使うとこういうことができますという、我々が想像しない提案があると非常に嬉しいし、そこに期待してる部分が大きいですね。

ありがとうございました。

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