前々回のブログが思いのほか反響(決して好評だけではないが)があったので、続編(深化版)を考
えてみたいと思います。(前々回 http://01booster.com/archives/2027)
何よりも01Boosterの運営メンバーは、起業家としてはロートルの部類ですが(ロートルって死
語かな)、大企業の経験が結構長いため、起業家の中では、大企業の理屈や行動特性が理解でき
るという特徴があります。
事前に予測不可能で、事前に経済合理性を見つけられない新規事業案件の中にこそ大成功がある
とは、前回の通りです。
当然、事前予測可能な成功もあるでしょうが、これだけ合理的な情報に非対称性が無くなった環境
では、事前に予測不可能な新規事業案件こそ、他社が追随できず、【大】成功(もちろん大失敗も)
の種があると言えると思うんです。
では事前に予測不可能な、不確実な(=経済合理的である説明ができない)新規事業に資源投下
の意思決定を経営者ができるのか?
普通に考えればNoです。
サラリーマン経営者であればなおさらNoooooです。何故か。
・投資NGの方が合理的な説明が可能
不確実性が高く、非合理な新規事業投資なので、投資不可という方が合理的ですし、説明責任を果
たしやすいからです。
・責任を回避したい
起業の成功確率は「せんみつ(3/1000)」(正確かどうかは不明)と言われるので、当然ながら、Go
の判断をして、失敗後責任を負う確率はやはり高い。
サラリーマン経営者であればその責任は回避することが普通の行動かなと思います。
不確実でも、リスクをとってやってみようと判断し、大成功を収めるのは相当稀有なケースかと思い
ます。
・社内の利益相反
新規事業が社内の既存事業とカニバライゼーションを起こそうものなら、上記の理由とセットで、も
はやGoのジャッジはかなり難しくなってしまいます。収益上の明確なカニバライゼーションが仮にな
いにしても、社内リソースを取り合ってしまうので、やはり大なり小なり、どこかで利益相反は発生す
るのでしょう。この抵抗をかいくぐってまで非合理な意思決定はできなくなってしまうでしょう。
ということは、過去から綿々と続く基幹事業を抱えている旧来企業で、どれだけ感覚的に魅力的で
も、不確実で、合理的に説明できない新規事業案件を、サラリーマン経営者がジャッジすることは
結構大変なんだろうなと。
で、それでもやり遂げるサラリーマンは相当異端児であり、いい意味で狂っていて、サラリーマン根
性がない人だと思うんです。
まぁ、そこまでいけば自分で事業やっても何とかしている人だとは思うんですが。
こういう社員は教育すれば育つものでもないですし、こういう社員が偉くなるまで組織に残っている
可能性はあまり高くないですよね。大企業に合わないタイプなので。
すぐに思い浮かべるのは、元ソニーコンピュータ久多良木健さんかなぁ。
ちょっと今回は偏見が過ぎたようです。ごめんなさい。
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