【01Blog】企業が新規事業を起こしにくく変わってきたのでは?(2)

2013.10.27

先日お伺いした明治大学ビジネススクールの青井先生のお話から二点ほど。前回の続きです。 新しいものを生み出すのに社外リソースを使うということについて。「日本はいつの間にか、差別化、独自性、そして、"社内で" になってしまった。昔の日本は良い物を他から持ってきて独自色に染めていなかったか?これが勝ちパターンでは無かったのか?イノベーションは実は自分で生み出すのは(多分、世界的に日本に限らず)難しいことではないのか?大企業が社外リソースを活用するにはどうしたら良いのか。」というお話があった。この話に関連してNIH(Not Invented Here)症候群という話がある。何も自分で抱え込むことは日本の独自的なものではなく米国のような強い国で顕著であったという話である。日本企業もいつのまにか強国意識に陥ってしまったのかも知れない。本来はチャレンジャーであり、貪欲であったはずである。 もう一つのお話として、「日本企業は過去にUse it / How much (you can pay) しか言わなかった。これは物が良かったので、それで良かったがそれが神話を呼んでしまった。逆に一EU系の企業の中には自社製品の物が悪かったので「やれデザインが」とか、「ストーリが」とかを考えた。これが今日の競争力、コンテンツではなく、コンテキストの部分のマーケティングに聞いているかも知れない」と。 少し前にオムロンでずっと海外畑で活躍されていた大塚先生のお話をこれに合わせると、「日本は昔は展示会に行ってもがむしゃらに顧客のいうことをメモしていた。いつのまにやら思い上がってしまって、自分が良い物を作っているのだからこれを使えという風になってしまった」とあった。特にアジア圏でこの話は顕著との話を聞いたこともあり、自分たちは進んでいるという妙な自信があり、逆にその国に馴染めないとの話も製造系で海外に長く携わっている人からも聞いた。もちろん、良い物はあるだろうが。 上記を逆に見ると日本としての強みというのはなんであったのであろう? もちろん、エンドユーザの言うことをなんでもハイハイと聞くことが良いことではない。あくまで一意見に過ぎない場合もある。との前提を踏まえても、現在の問題点は、「思いあがり」「顧客(市場)視点の欠如」「市場調査の欠如」「ストーリを伴った拡販努力の欠如」「自前主義」などが挙げられる。 話しはずれるが、この世界の国の観光能力を比較したレポートは面白い。日本は顧客志向が世界一位であり、人もコンテンツも良いが外国人とのコミュニケーションや折衝の点数が非常に悪い。だったらどうしたら良いのか?強いところ弱いところは何か? 日本企業が新規事業を生むために必要な物は種々あるであろうが、これらの問題点をもう一度踏まえて、思いあがりを捨てて、チャレンジャーとして誰からも学び、人と協力し合い、弱いところは外のリソースを活用することもあるであろう。もちろん、それが簡単でないことはわかっているのであるが・・・

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