【01Blog】大企業からStartupで学んだこと(5)「エマージングな市場なのか?」

2013.12.01

エマージング(Emerging)は、"Newly formed or just coming into prominence; emergent." ということなので新しくできた(その後伸びが期待できる)というところである。 私の前に居たIT Startupがスマホ市場へ参入したのは下図の09年の頃である。今でこそスマートフォンは当たり前のように日本で普及しているが、当時は日本には強いガラケーがあったので、スマホは来ないという意見もあり必ずしもその後の市場が見えていたわけではない。ただ、「起業家は未来を言い切る能力が必要だ。」という名言がある。心構えとして捉えておくことであろう。 さて、ファミリービジネス(独立する)とStartup(将来的にスケールして大きな成功を狙う)かの違いはあれど、Startupであればある程度エマージングなマーケットに入り込む必要がある。もちろん、既に飽和して寡占している市場にも別の意味でのチャンスは有るが(デコンストラクションを参照)。 日本から東南アジアに行って思ったことがある。「前提が違うのだ」下図はマレーシアの人口ピラミッドである。日本の釣り鐘型と比べると、例えば、子供向けのサービスは「必ず伸びる」のだ。このような前提に立ったビジネスモデルはなかなか日本で目にすることはない。おおよそは「差別化」である。エマージングな市場では差別化ではなく、いかにパイを抑えてしまうかだ。この点でも考えが違う。エマージングではない市場に入り込んでも正直苦労するであろう。古い業態をなんとかしたいという想いは重要であるが、差別化主体だと、「あった方が良いが」のNeedsであり、「是非欲しい」のWantsではない場合も多い。 日本が飽和しているのであれば少なくとも国の西側には沢山のエマージングな市場があるし、日本の中でもエマージングな市場はあるであろう。是非、この機会に、「自分たちの突っ込む市場はエマージングなのか?」を今一度お考え願うと良いかも知れない。

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