【01Blog】迷ったら行け!「中国を望む」

2013.12.25

1000億、1兆円の売上を考えるのであれば中国を外せるであろうか。 本日は、中国で活躍する牛田(上海)投資諮詢有限公司の牛田総経理が01Boosterに遊びに来て頂き、中国に関して色々お話を聞く機会を得た。 まず、これは牛田さんの仮説であるが、私としても納得感が大きかったのが日本は実は発展途上国に入っていくという経験はそこまで大きくなく、依然として先進国を見たビジネスではないかということである。欧米(特に欧州系?)はコントロールがうまい。過去に色々やってきて成功体験も積んでいるからだ。つまり、欧州は過去に発展途上国で投資を長期間で回収してきた歴史があるというのだ。 例えば、この歴史が薄いかも知れない韓国ではIMFが入った時に、かなり若い人の教育をやったそうである。外貨を稼がないと今後は生きていけない。その時教育を受けた世代は30代。この教育を受けて二度と過去を繰り返してはイケないと思っている人がいることである。日系企業の現地駐在は長くて6年程度。韓国や台湾は10年は行っている。つまり、片道切符なのだ。これも大きい。 日系は中国からの撤退が増えているが、欧米や韓国からはどんどん人が来ている。これは牛田さんの体感であるが、欧米や韓国台湾に限らず、アフリカ、中東などを含め、いろんな人が来るようになっているとのことだ。 日本の輸出型は限界が来ている。もう一度円高になったら厳しい。日系企業も海外への知見は5-10年で付いてきて、同じやり方は通用しないことはわかってきた。足りないのは「実践」だ。一つ考えとして「リバース・イノベーション」がある。これを本気でやっている日系企業は、数える程しか無い。日本で売れているもの(or過去に売れたもの)をローカライズし、日本と同じ様なやり方(マーケティング、組織)で販売しているケースが多い。つまり、市場を作っているわけではなく、今売れているものを中国に展開して運良く売れたケースがまだまだ多い。 欧州の会社はどうか?仮に、自国のものをそのままでも、桁が違う広告をマスに向けて打ってきているのが実際である。つまり、市場を創っているのだ。日本と同じ考え方でやって失敗は当たり前。中国でうまくやっている人の話を聞いたほうが早い。こんな言葉がある「迷ったら行け」(→ 70%程度の確度でまず小さくやる、やりながら修正を続ける)。まずは実践が必要だ。 ある一定規模以上のマーケットを俯瞰すると、中国と同じ規模の場所は少ない(データの精査した上でのコメントとまでは行かないが、日本の商品をローカライズレベルで販売できることを前提とした場合、中国と同規模又はそれ以上大きなマーケットは「無い」と思われます)。インド、中国、ロシア、ブラジルであろうか。正直、この中では中国は比較的やりやすい。政治の話は色々あるが、これを気にしたらなにもできない。他の国にもリスクが有る。 中国に来ている欧米のマーケッターは細かくセグメントしているケースが多い。一級都市、二級都市と区分する。中国は大きいので発展するスピード感が異なる。デジカメが売れているのじゃ1-2級都市、3級都市はこれから。ASEANでは国が分かれているのでタイはどうだ、とか、インドネシアは、とか考えるが中国ではそこまでセグメントしないケースが日系では多いと感じている。 ブランディングに失敗しているケースもある。元々は百貨店でのみ売っていたが、売上を狙ってスーパーに出すようになって庶民ブランドと認識され逆に利益が厳しくなったケースもある。欧州系はこのブランディングは非常に気にしている。欧米は短期を求めるが長期も見ている。ここで最初の仮説に戻る。日本は途上国でのビジネスにまだまだ慣れていないのではないか?もちろん、欧米系の会社でも、人間関係を創れなくて厳しかったり、中国のエイヤー的なのに対応できない、自国のルールでやってしまうなどで失敗したところは多い。 但し、一つ言えるのは、「日本ほど遅い国は無い」(平均的な意志決定スピードは、日本はかなり遅いとの肌感である。一部、意志決定が速い企業もあるものの)。サラリーマン社長になってしまったとも言える。本気で勝つ気で来ないと当然勝てない。 日本は途上国でのビジネスを学んでる過程かもしれない。しかし、失敗を積み上げて内向き出したら終わる。今が瀬戸際である。

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