【01Blog】大企業の新規事業プロセスを考える(3)「外部リソースの活用の前提条件」

2014.02.03

最初に外部リソース活用の前提条件に関して考えておく必要があるでしょう。 まず、大・中小企業の最大の問題点の一つは自前主義です。この自前主義最大の問題はイノベーションを伴う新規事業が極めて難しいことと、海外などの新しい市場への対応を内部リソースだけで達成するのが極めて困難であることです。日本企業は元々自前主義だったのでしょうか?小生にはそうは思えません。そもそも、リバース・イノベーション王国ですので。 では、自前主義を止めて外部リソースを使いましょうとなった時に、小生自体もアライアンスを色々やりましたが、ある程度までくると「後はウチだけで」という会話を何度も聞いております。つまり、TakeがメインになりGiveができないのです。大企業とベンチャー企業を考えた場合、ベンチャー企業は資金的には厳しいことが多い。一方、一般的には大企業は余裕があります。意思決定の速度も違いますし、外部よりも内部への志向が大企業では強いですから、ベンチャー企業側も慎重にならざるを得ません。つまり、外部リソースを使うといいつつも心までは、もっと言うと、体制としては外部リソースを使う形には至っていないのです。更にいうとまったく異なる人々がお互いだけで実際にコラボするのは極めて難しいことです。すっとんだ天才芸術家とお固い役所の人が組んだら?確かに初度はいいですけど。。。 外部リソースを活用するための外部リソース。つまり、仲人が必要となります。 一方で、大企業のレバレッジを使わない限りはメガベンチャーの出現も難しいでしょう。多くのベンチャー企業が大企業とのコラボの末に大きくなっていると思います。しかし、ベンチャー企業やその他企業と協力、協業といえども・・大・中小企業側も盗られてしまうのではないか?という恐れを持つところも多いでしょう。 ここでは、ビッグピクチャーが必要だと思うのです。Win-Winとはよく言いますが、私はWin-Winモデルを「実質的に」創れている例をほとんど知りません。誰もが利益を得られて産業自体が伸びていく仕組み。 しかし、歴史を紐解けば近江商人の三方良しの精神がありました。Win-Winができないわけではないのですが、今は何故かできなくなっている。 つまり、「大・中小企業」「外部リソース(大学、ベンチャー企業、その他企業)」「アレンジャー(仲介、リーダ)」の3つの機能が必要になります。最初の2つだけでは外部リソースの掛け声は良いでしょうが、なかなかWin-Winの関係を築くのが難しいのでが現実でしょう。 次はもう少しこの話を掘り下げてみようと思います。

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