【01blog】大企業がオープンイノベーションの前に考えて欲しい3つのこと

2014.04.18

資本主義社会における経済発展の原動力はイノベーション(新結合)と説いたのは経済学者J・Aシュンペーター。そして、イノベーションは組織内おいて自然発生せず、その担い手は起業家であるとも言っています。 昨年にオープンイノベーションやイノベーションアウトソーシングというキーワードが広がり始め、そして今年度に入り実際に行動される企業が増えてきています。 多くの企業が新規事業を内部創造できなくなっていることは紛れもない事実で、そのことを企業自身も【形式的に】理解し、その解決の方向性としてベンチャー企業とのオープンイノベーション活動(今回の話は「ベンチャー企業との」に限定です。)に注目しています。 多くの起業家と大企業の新規事業担当者が集まる01Boosterは両者をブリッジする使命(勝手にそう思っています。)があるので、両者のアレンジをすることを増えてきました。 その中でさっそく課題が見えてきました。 平易な言葉で端的に言うと「単に大企業がベンチャー企業を下請けとして利用する」取り組みになってしまう危険性です。オープンイノベーションを推進する大企業のご担当者(窓口の意)の多くはかなり理解されている方が多いのですが、社内の既存事業や会議体、役職員のプレッシャーを感じながら、社内のバランスをとっていると結局、自社にとっての短期的なメリットを合理性もって説明する必要があり、従来通りの大企業が下請け業者を選ぶ思考とプロセスに近づいていってしまうのです。 で、この大企業とベンチャー企業のイコールパートナーとしてのオープンイノベーションと、大企業の下請け業者選びとのGAPというのが目に見えないもので、極めて判断が難しく、感じ取るレベルのものになります。 ゆえに大企業サイドの方はその感覚がなくなってしまうのです。「ちょっとこれ違いますよね。WIN-WINじゃないですよね」「従来のやり方ではダメだからオープンイノベーションを推進されているんですよね」と声をかけると「はっ」と我に変えられるケースが多いのです。 もう少ししっかり分析でして後日01blogで展開しようと思いますが、今日はさわりだけです。 ①起業家やベンチャー企業をリスペクトをする。 もちろん相互にリスペクトするべきです。社内にないリソースをベンチャー企業に提供してもらうという姿勢でないと、ただでさえ余裕のないベンチャー企業は敏感に敬遠するようになります。 ②トップないしは役員のうち1人でもオープンイノベーションへの理解をもっていただく。 まぁ。当たり前といえば当たり前なのですが、オープンイノベーションを理解され、推進しようとトップがコミットしていただくことが理想です。仮にトップがそこまででなくても、意思決定機関に属する役員のお一人でもフォローの方がいることが最低限でも必要と思います。 ③オープンイノベーションは独立部門とする。(既存事業をもった部門とは別にする。) イノベーションにはコンフリクトがつき物です。既存の事業をもっていれば必ずコンフリクトします。ゆえに既存事業と切り話された組織および人材を配置する必要があります。できれば意思決定プロセスも分けられたらベターです。 せめて、この3つくらいは考えていただかないと、オープンイノベーションの盛り上がりは絵に描いた餅になると思います。

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