【01Blog】起業は「やりたいことをやる」と「失敗」するというジレンマ

2014.04.26

みんな「やりたいことをやる」からStartupは失敗するんですよー。 前のベンチャーの社長にこう言われた時は、やりたいことをやらないでなんの意味があるのか?など色々青臭く考えたものです。しかし、今はその意味がよく分かる気もしております。ベンチャー企業自体は失敗を繰り返して成功を見つけるので、定点観測的な失敗はむしろ歓迎だとは思いますが、最終的に事業をたたむことを失敗(結果的にやりたいことはできない)というのであればその傾向が強くなるのも事実ではないかと。 お金ならお金だけ、想いなら想いだけ、と日本の起業の場合、バランスが取れていないケースが多いとも思えます。私は冒頭の社長の言葉を置き換えると、「粗利の高いビジネスに最初は手を出し、その後、粗利の低いビジネスに手を出し、想いとマネタイズを両立させる形を取る」ということだと思います。「成功者の告白」という神田さんの本にこのことが書いてありますね。 昨日の子育て支援系ビジネスのセミナーではそんなことを考えたものです。もちろん、想い自体は悪くなく、その理想も戦略的に使うべきだと思ったりもします(逆にそういうCEOはすごく尊敬します)。但し、想い系だとマネタイズが弱くなる関係はあると思います。最初の失敗を繰り返して成功の鍵を見つけるStartupの手法では、基本的に想い云々よりも市場の声に耳を傾けて意思決定します。この部分で、想いの部分が強いとミスジャッジを繰り返す気がします。 遠くの理想のためには、近くの現実主義。大きな事業を成功させるためには、遠くの理想で自分をかきたてながら、足元には現実的なジャッジをしていくことが必要だと思えます。 「真の理想主義は現実主義からしか生まれない」 by 塩野七生氏

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