【01Blog】ビジネスアイデアをいきなり叩く事は無意味で先に心の声を聞くべきではないか?「アクセラレータの現場より」

2014.10.10

ビジネスアイデアのアラを探しても仕方がないのではないか?その人の心の声と能力を見極めることに集中すべきではないか? 最近は色々ビジネスモデルやビジネスアイデアの話を毎日聞いてます。もちろん、自分としてはベンチャーキャピタルではないので批判的というよりはどうやったら成功するか?という視点で話をするわけですが、どうにも話がおかしいなぁ?と思うことが有ります。 もう一つは、特に多くの大企業系の人から、ビジネスアイデアを社内で出したりすると寄って集ってアラ探しになってしまうという事の話をよく耳にします。共通認識に近いぐらいです。そもそも人の目を気にする日本人。それに打ち勝ってそれでもやる!という人は少なくて、せっかくのチャンスを潰しているのではないか?と思うのです。これはアイデア偏重の弊害でこの問題を取り上げました。 01Booster もちろん、企業の中の新規事業は、大前提として経営戦略との整合性が重要であり、仮に単独事業が儲からなくても、会社として企業価値が上がる(例えば、鉄道の沿線の店舗が赤字でも沿線価値を上げられれば、会社としてはOK)ことであればOK、また、他の事業とのシナジーが重要。特にスタートアップと同じような形は取らないのが良いと思えます(それなら投資側に回ったほうがよほどReturn of Investment/投資対費用効果が良いと)。なので、単独でのビジネスというよりは、人事戦略(育成面では)、経営戦略、競合戦略の一環として考えるものであり、単純に新規事業をスタートアップのように立ち上げることとは異なります。 01Booster 企業を一旦離れて、起業で考えると、重要なのはその人の意思決定の根幹を成すコアの部分です。想いが強すぎることは失敗の強い要素になりますが、これをもう一歩掘り下げて心の根幹のところを押さえればそれは成功まで事業を続ける原動力になります。人によってそれは子供の頃のトラウマだったり、親との関係、会社での過去の大失敗、軋轢など様々な過去の体験によって形成される場合が多く、メンター・インキュベータ側の能力は極論すればコーチングの世界になると思っております(なので最近は私もコーチングを学んでおります)。 図式すると下記のイメージです。一般的に、最初は新しくビジネスを立ち上げたい起業家は「ビジネスアイデアA」を持ってくるわけです。問題は優秀な起業家が持ってこようがゼロイチ状態のアイデアはそもそも全然ボロボロなのが普通です。相当作りこまれていても、市場に出していなければ絵に描いた餅です。なので、これをどうのこうのと捏ねても正直あまり意味がないのでは?というところです。そこで、色々叩いて、「ビジネスアイデアB」にピボットした場合、心の琴線から離れてますので、モチベーションが続きません。 01Booster 一番成功しやすようなのは、なんでもいいからビジネスを立ち上げる事自体が琴線(心のコアの意思決定)の場合です。飽くなき成功指向でこれは一つ重要な要素です。この場合、ビジネスAでもビジネスBでも琴線にラップしてますので、成功し易い。 一方、心のコアの意思決定がビジネス立ち上げ自体が目標ではない場合は、心の琴線を最初に掘り下げて理解した上で、より成功しやすそうなビジネスアイデアCに誘導する必要があります。あるいは、ビジネスアイデアAのままでも少し抽象度を上げたりなどの工夫で成功に持っていく必要があります。この時の誘導の軸が心の琴線の輪に最初に入っているのか確認しないとこの議論はあまり意味がなくなってしまいます(ビジネスBに誘導の場合など)。 一番問題になるのは、教育系でよく見られるような心の意思決定がかなり継続持続が難しい方向になっており、比較的マネタイズ可能性の高い(心の琴線から離れる上に理想主義が更に琴線から遠くする)アイデアBへの誘導において「私のやりたいことではない」となってしまうところです。ここは起業家の才能の問題だと思えるのですが、将来的なアイデアDを達成するという遠い理想のために、足元の現実的なビジネスBを取るという方向での話が必要になります。 まずは心のコアの意思決定(心の琴線)を押さえることがビジネスアイデアディスカッションでは必要ではないか?と思う次第です。

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