【01Blog】日本人の起業家精神を考える

2015.04.25

日本人の起業家精神はどうやったら復活するのか? 日本の起業活動率が現在は世界でも最も低いという話はなんどかしました。一方で、過去からずっと低かったかというと、大正や戦後に起業ブームがあったこともお伝えしましたし、西日本を中心に開かれた日本が展開された時代のことも書きました。 そもそも「起業家」とはなんなのか?というのはわかりづらい定義です。アメリカ大使館から少し長い説明が出ています。
  • 創造的破壊をもたらす
  • 変化を探しだして、それをチャンスとして利用する人
  • ・・・
いろいろ定義があってよくわからないのですが、下記はおよそ意見が一致しているということで、経済発展も雇用機会も起業家精神が無いと厳しい。つまり、今の日本は問題なわけです。
あらゆる社会の経済成長と雇用機会の促進に必要な要素である、という点で今日の経済学者の意見はおおむね一致している。
こんな時にドラッガーさんのお言葉をお借りすると、彼は気質とかそういうものでも、一発狙いでもなく、企業家精神を下記で表現しております。確実性を考える人は企業家には向かず、変化して当たり前と思えることだと。これはなかなか耳が痛い話ですね。
企業家精神の原理とは、変化を当然のこととすることである
さて、ベンチャーキャピタルの発祥に関して、こちらに説明があります。ニューイングランドの経済的苦境の中から生まれたものだと。シリコンバレーの歴史がありますが、簡単にいえば元々西海岸にはそんなに起業家は居なくて、色々な研究予算も東海岸の大学に割り当てられていたと。スタンフォードが中心ですが、Terman教授の活躍が大きかったようですね。下記にスライドがありますが、起業家マインドとそれを出来る環境を周りに創ったという形かと思います。全てがそうかは分かりませんが、偶然の産物で企業家精神は形作られたとも言えます。 a075 http://gigazine.net/news/20150202-silicon-valley-secret-history/ 一つ言えるのは、米国の起業家精神はある程度形作られたり、啓蒙(Encourage)されるたこと、後は環境が整うことにより人為的に形作ることが可能ではないか?ということです。
起業家を増やそうと活動した人の努力により、起業家精神は醸成された可能性が高い
「日本史」の終わり 変わる世界という本によると、あくまで一つの解釈になりますが、明治や大正、戦後の起業ブームに関して下記の解釈をしています。
  • 江戸時代に抑圧されていた武士の生存本能が開放された
  • 戦争中に抑圧されていた起業家精神が開放された
これが必ずしも正しいかはわかりませんが、一つの可能性ではあると思います。簡単に言えば、抑圧があって、それが開放される、後は、経済が復興するというマクロ環境でしょうか。今の日本には後者が若干足りないのかも知れません。 いずれにしろ日本は停滞していて抑圧とまでは行きませんが悶々とした状態にあるのは事実であり「何かしたい」という機運はアクセラレーターを通じて感じています。後は、起業家精神の啓蒙や働きかけを行うことが時間はかかれど効果があり、もうひとつは市場の定義を(共存共栄は図りながらも)世界に求めていくというのは一つの方向性として間違っていないのではないか?と感じております。 つまり、自然発生もありますが、多くの起業家精神はアクセラレーターやインキュベーターの努力により育まれてきた歴史があるということではないかと思います。

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