【01Blog】「自己オープン化」と「弱い紐帯の強み」が世界を変える!?

2015.06.07

自己のオープン化と弱い紐帯(ちゅうたい)の強みの活用は文化的に日本には極めて重要なキーワードですね。

Learning Strategy Partnersの田口さんのベンチャー系の人材のセミナーを01Dojoの補講で開催しましたが非常に素晴らしいものでした。70/20/10 Modelで時にはインプットはとても重要。今回はまさに「弱い紐帯の強み」を地で行くような経験となりました。

7613_981281181884231_3394545972070279991_nこれも「弱い紐帯の強み」?

さて、社内ビジネスプランコンテストが今一歩である理由や、地方創生のポイントをまとめてきました。全てがこのオープン化や弱い紐帯の強みだけではありませんが、一つ、島国で比較的農業国、世界でもトップクラスの平和な歴史を持つ日本では「物理的な場を共有する傾向が強い」文化があるとは思っております。但し、ここで「農耕民族」と結論づけて一般化するのは時期尚早だとも思っており、なぜなら、海洋で外向きの性格も同時に持ち合わせているからです。

但し、同じ会社、同じ地域で場を共有して共通のプロトコルで世界的には高文脈文化「寄り(もっと高文脈の世界があるので、例えば東南アジア圏)」であるのは事実でしょう。

下記の図を見て下さい。厚生労働省の統計によると実は1953年の時点では60%近くが自営業か家族従業者であった過去が日本にはあります。これを偏に「起業が過去は盛んだった」とはいえないかもしれません。単純に財閥が強くてそれ以外は零細だった可能性もありますし、起業家の定義も様々です。ただ、多くの人が雇用されてはいなかったというのは事実であり、少なくとも今よりは「生きる」事に真剣であったのは事実でしょう。

厚労省http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/11/dl/02-1.pdf

さて、話を戻して弱い紐帯の強みはマークグラのヴィッターの「The strength of weak ties」が原典です。簡単にいえば友達や家族などの強い繋がりは同じ情報にさらされているので、新しい情報は実は、友達の友達などの緩い関係からもたらされる傾向が強いということです。

特にこれを会社や地方と、そして、高文脈型文化、場を共有する傾向が強い(日本人100%ではないにしろ)日本の社会に当てはめてみると、実は、その会社の中だけ、地域だけで何かを実施しても、現状を見える範囲で改善する事は可能でしょうが、抽象的な概念の創造や、イノベーティブな変化をもたらすことは困難だということを結論づける事が可能になると思えます。

そして、これにもう一つ必要なのが「自己(自分)のオープン化」です。会社や地域であれば「会社・地域のオープン化」と言っても良いかも知れません。何が必要で、何をしているのか?何を思っているのか?これらは語らなければ伝わりません。「頑張っていればお天道様が」はあくまで場を共有した狭義の高文脈ネットワークの中で存在するお伽話であると思うのです。

ちょっとニュアンスが違いますが、フィニアス・バーナムの下記の言葉は好きです。

広告活動をする資金的余裕がないという人もいるだろう。しかしこれは逆だ。広告活動を「しない」余裕などない。農家が種をまいたら寝ている間にトウモロコシやジャガイモが育つ。広告も同じだ。自分が寝たり、食事したり、お客としゃべっている間に、広告は何千人もの人々に読まれているのだ。

そうです。知らそうと思わなければ相手は分からないのです。自己のオープン化と弱い紐帯の活用。この2つは日本のオープンイノベーションにおいて重要なキーワードとなり得ると思います。

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