【01Blog】計画のグレシャムの法則を考える「ルーチンは創造性を駆逐する」

投稿者:Goda George
2015/06/13 23:21

計画のグレシャムの法則は企業でも起業においても双方に大きな問題となりますね。重要なことは後回しにされやすい「ルーチンは創造性を駆逐する」。

グレシャムの法則自体は「悪貨は良貨を駆逐する」で有名です。金の含有率の違う硬貨は同じ価値であっても金の含有率の低い(悪貨)の方が流通し、金の含有率の多い良貨は引き出しの中なので、「憎まれっ子世にはばかる」的に使われる言葉です。

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さて、これに加えて、計画のグレシャムの法則という言葉があります。ハーバート・サイモン氏が提唱したものですが、下記の説明が分かりやすいでしょう。

「そもそも人間は、目の前に大量のルーチンワークを積まれると、その処理に 追われ、創造的な仕事を後回しにしてしまう傾向がある。創造的な仕事とは、仕 事のやり方自体を根本から変えるとか、長期的な展望を描いてみるといった作 業のことである『ルーチンワークは創造性を駆逐する』。ハーバート・サイモンの 言う意思決定のグレシャムの法則(計画のグレシャムの法則)である。つまり、 日々ルーチンな仕事に追われている人は、ルーチンな仕事の処理に埋没して 長期的な展望とか革新的な解決策とかを考えなくなってしまう、ということである。 (中略)

不確実性が高まり、例外処理のためにヒエラルキーがパンクしはじめると、組織全体が意思決定のグレシャムの法則にはまりこんでしまう。管理者・経営者た ちが目先の例外処理に追われ、長期的なことや抜本的な改革を後回しにし始 めるのである。」

出典 『組織戦略の考え方――企業経営の健全性のために』 沼上幹著 ちくま書房2003年発行 P28、P29

特に最近聞くのは(成長したくない企業はともかく)中小企業は結構この計画のグレシャムの法則にはまっているケースが多そうです。もちろん、大手企業もそうでしょう。一方、ベンチャー企業では受託の罠(受託事業である程度食えてしまい、従業員も囲ってしまうと新しいことを考えるよりも受託対応に追われてしまう)からなかなか抜け出せない時には同じような現象が起きてきそうです。

大企業の場合は仕組みとして「継続は悪、変化は善」(from 小林製薬)という考え方もあります。イノベーションを仕組み化してしまう形ですね。

対策が記載(もう一つ)されておりますので、参考に。

スタートアップに関してはこれは難しい問題ですね。生きる(死なないが正解か?)事と成長すること(短期・長期)を同時に、特に尻に火がついた状態で考えないとなりません。この場合、私も解は無いですが、こんなことが重要なのかと。

  • 社外メンター(損得勘定の無い第三者の意見)との定期的な意見交換は重要。
  • リソース的に難しいが、戦略やマーケなど、コストセンターにはなるが、ルーチンと外した存在を創ること。
  • 夢や目的を確認するオフサイト会なども重要。
  • 革新(イノベーション・創造性)のための時間を取り、納期を定める。

計画のグラシャムの法則はなんとも悩み深いですが、成長し、イノベーションを興せる企業はこの壁を超える経営者と創造性の仕組みの実装に成功したところと言えるのかも知れません。 

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Goda George
共同代表 取締役:01Booster Inc.

MBA、理工学修士。東芝の重電系研究所・設計を経て、同社でSwedenの家電大手とのアライアンス、中国やタイなどでのオフショア製造による白物家電の商品企画を実施。村田製作所にて、北米向け技術営業、Motorolaの全世界通信デバイス技術営業を実施、その後、同社の通信分野のコーポレートマーケティングにて全社戦略に携わる。スマートフォン広告のNobot社に参画、同社Marketing Directorとして主に海外展開、イベント、マーケティングを指揮、KDDIグループによるバイアウト後には、M&Aの調整を行い、海外戦略部部長としてKDDIグループ子会社の海外展開計画を策定、2012年3月末にて退社。現在は01Boosterにて事業創造アクセラレータを運用すると共にアジアにおけるグローバルインキュベーションプラットフォーム構築を目指す。

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