01Blog / コミュニティの罠に気をつけよう

2016.05.01

様々な会社や地域とお話をしていると、コミュニティの強さで考え方がシフトしていることを感じる事があります。つまり、部外者からみて、ちょっと(時にかなり)感覚が違う事です。

白を黒だと思っている人に白だと言うのは難しい

これは実は相当に経験してます。それって違いますよね?と言っても(かつ、こちらが100%正解だとしても)、頭から白を黒だと思っている人に理解させるのは非常に困難です。かつ、相手がマジョリティであったらどうでしょうか?つまり、その地域、その会社の中でマジョリティであったらです。そこに保身が加わると、凄いグループシフト(その保身者はそこまで思っていないが)が生じます。様々な間違った行動やジャッジが起きている事は非常に残念に思います。

では、どうやったらそれを避けられるのか?

外部とコミュニティの考えの乖離

例えば、猫をこよなく愛している人に「この猫可愛いでしょう!」と言われたら確かにそうだがそこまで思わないということがあります。特に日系は相手を思いやって話す事になれている(衝突を避ける)ので「そうは思わない」とはっきり言えずに、「そんなのありか?」ということが平気で動いていたりします。特にこれが同じコミュニティの中だと増幅されるので、外部との乖離が非常に激しくなっているケースです。

特に問題になるのは顧客の発明ですね。自分たちがこう思っているから、相手も「無意識」にそう思っているはずだというものです。これは実は非常によく見られます

規制の虜

規制の虜という言葉があります。この言葉は業界と行政で情報格差がある場合に、行政が業界に取り込まれてしまって規制が働かない(業界の利益優先)ということになります。

グループシンク

集団思考とも言います。Wikiには米国の例が書かれておりますが、かなり高度(エリート)で日本に比べて比較的意見をぶつけ合える環境で起こることですから、日本では容易に様々なケースで起こっていると思ってよいかと思います。簡単にいえば、「自分たちは絶対でこのコミュニティの全員がそう思っている」という幻想ですね。

常に自分たちは間違っているかも知れないと自分を再発明する起業や事業創造とはまさに逆の現象です。

弱い紐帯の強み

グループシンクの防止方法はこちらに記載されております。大きくわけて、2つですね。

1. 批判を許す(場合により、単なる批判だけに終わらないようにしないとなりませんが)

2. 外部者を絡ませる

特に、1.もありますが、2.も重要ですね。特に、2.は個人的にはポートフォリオ的に聞くと良い気がします。仮に信用できる人でも100%正しいかはわかりません。なので、数名の意見を聞いてみるのも良いかと。

もう一つが弱い紐帯の強みを活かすことかと思います。Wikiから引用してみましょう。

緊密な社会的繋がり、例えば親友や核家族は力を行使するには適当だが、密なネットワークは高度に冗長な情報を持つため、探索にはほとんど無用であるとするものである。一方、弱いつながり、即ち単なる知り合い関係では情報の冗長性がはるかに低いため、探索には極めて有効である。しばしば情報は力よりも重要であるから、個人が発展していく(求職等)には弱い繋がりの方が家族や友人関係よりはるかに重要となる。

つまり、同じ集団の中では情報には世間一般と相当の偏りが生じる可能性があるということですね。

ではどうするのか

なかなか難しいことではあります。同じコミュニティであるとコミュニケーションコストは極めて小さい。なので、良いところもあります。目標が正しいのであればこれほど効率的な事はないでしょう。

逆に非定常な起業のような分野では(革命的に現在の市場を壊すものも多いので)このコミュニティの罠によって合理的に潰されてしまう可能性があります。コミュニケーションコストが大きいので辛いんですが、外部者と話しながら自分たちのコミュニティがグループシンクに陥らないように、また、弱い紐帯の関係を常に切らせないようにする取組が必要だと思います。

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