01Blog / 大手企業はもっと黒子になろう

2017.01.08

シャオミやテスラはなぜ、世界規模に急伸したか?」という記事があり、興味深く拝読しました。簡単に言えば過去には様々な利害関係者を調整する取引コストよりも、自社内で組織として持ってしまった方が楽だったが、今は異なるということです。

例えば、物を買って輸送する場合、輸送業者を使うか、あるいは、自社でやるかで相対的に過去には自社でやった方がコストが安かったが、今はインフラが整ったので物流業者に頼んだ方が全体として安くなるというイメージですね。様々な技術革新で連携が容易になったということですね。

コミュニケーションコスト

良く、私が思うに日系企業の社内のコミュニケーションコストは安いなぁと思います(これは地域にもよるかと思います、同じ取引先、系列などは阿吽の呼吸で取引ができるし、お金を払わないなどのトラブルも少ない)。このような部分は確かに必要でしょうが、イノベーションとなると今度は難しくなりますね。多様な人が交流し合う事によりイノベーションが生まれるので。

つまり、取引コストによる自前主義で良い時代があったが、イノベーションの時代でこのコミュニケーションコストの安さが足を引っ張る場面になってきたということですね。

とにかく早いスタートアップ

これはなんどか書いておりますが、スタートアップは高速だと思います。理由は意志決定経路が単純であることと。グレーゾーンを攻められること、後は、積上げたものが少なく、バーンレートの関係でゆったりしている時間がないこと、大きな企業と比べて相対的にかなり小さな目標でも喜べる事などがあるでしょう。

https://www.cbinsights.com/blog/startups-unbundling-fedex/

上記のCBInsightの図はインパクトありますね。スタートアップがFedexのサービスをDisruptしているようです。

問題は協力するのか敵対するのか

これは日本に限らず、敵対するのか協力するのか?であると思います。「国境を超え、サービス、人、モノ、お金が行き交う時代には〜」という決まり文句を言うつもりはありませんが、というのは、どちらかというと今の世界の政治を見るに逆作用でローカル化が進んでいるので、グローバル化の問題は起こりますと。グローバル化の問題点は勝ち組と負け組がはっきり分かれすぎてしまうことと、自分たちのルールでは動かない、外来種の問題ですね。でもまぁ、これはある程度は避けられないと。では、制約条件を考えてみましょう。

  • いずれにしろ日本は伸びないので海外協調は必要
  • グローバル化はなかなか止められないので、競走は激化する
  • 外来種はスタートアップ連携を進めている(場合により遥かに素晴らしく)
  • 大きな組織は日本に限らずスピードは出ない

では、どうするのか?というと、上記のFedexもそうですが、スタートアップに使ってもらいやすい形を模索しておりますね。結局どう見るかではないかと。大企業はインフラ側に回って黒子的に動き、フロントランナーは小組織に任せる。

これってかなりリーズナブルであると思えます。自前主義が悪かったわけではなく、環境が変わったので、如何に黒子化して多くのビジネスを自分たちの関係で動かすか、ここに企業の生きる道がある気がします。

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