01Blog / アジアでの日本のプレゼンスの大幅な低下を感じて

2017.02.26

だいぶ遅れましたが、2016年から少しづつ01Boosterも国際化を進めております。主に先端系スタートアップのソーシングとしての欧米、進出先としてのアジア、昨年の後半から少しずつ始めだしており、2017年には本格化します。去年は、01Boosterの出資先をマレーシアのアクセラレーターに送りました。今回はマレーシア、シンガポール、台湾での連携先探しです。アジアに関しては以降は中東までをまずは広げる予定です。

さて、ちょっと暗い話ではあるかも知れませんが、今後の奮起を願って、ここにアジアでの日本のプレゼンスの大胆な低下に関してまとめておきます。

厳しいアジアの日本への目

日本に期待するのは強いて言えばゲームぐらいかな?

これが今のアジアの日本を見る目ですね。5年前ぐらいまではだいぶアジアも日本との連携に前向きでした。もちろん、全ての企業がダメなわけでもないですし、強いブランドもあります。こと、スタートアップの世界では日本は「遅すぎる」「動かない」の代名詞です。

自動的に日本のことを考えることはない

こんな厳しいコメントもありました。繰り返しますが、全てがダメなわけではないですが、こと、イノベーションや新規事業、企業連携に関してはこのような感覚です。依然として市場が大きいのは分かるが、言葉の壁、特殊性という中で「北米」「欧州」「中国」を狙うというのが基本です。

日本の人口って何人?え?そんなにいるの!?でかいね!

クアラルンプールでお話した世界トップクラスのアクセラレーターのアジアのマネージャーのコメントです。そんな立場の人がこんな認識。日本はまだ一応、世界経済で3位だと思います。

東南アジアはASEANの枠組みでUnitedしている。そこにオーストラリアの影があります(少なくともオーストラリアは彼らにとって近い英米圏)です。下の写真は東南アジア最大級のMAGIC Acceleratorの正門です。このMAGICアクセラレータープログラムも名前が変わり、Global Accelerator Programです。既に、地域はおろか、自国だけでエコシステムを創るという考え方はありません。

韓国・台湾に大きな遅れを取る

シンガポールは元々大胆ですね。凄いなぁと思うのは複数の別分野のコーポレートアクセラレータのプログラムに採択されたスタートアップチームを「同じ場所」に入れるとか。イノベーションにはF2Fで多様な人が会うのが基本ですので、基本に忠実です。この手は本当にシンガポールは大胆ですね。社会的にとても大胆な実証実験も大量にしております。日本ではコーポレートアクセラレーターを「やるかやらないか」という議論をしている中で、向こうは「どう効果的にやるか」という話です。この差は、ジリジリと本当に取り返しが付かないレベルまでこのまま放置すれば付いてしまいます。

韓国の話は良く出てきます。K-Startupの話は良く聞きました。市場としては大きくないという目では見られてますが、この韓国のK-Startupも「グローバル」モードなのが特徴です。韓国だけのStartupを集めているわけではありません。

台湾も大胆です。経済的には色々苦しい部分もあるでしょう。生き残りをかけて必死なのです。世界中に台湾の優秀な人々が散らばって強大なネットワークを築いています。

我々はシリコンバレーではない。だからエコシステムは自分達の手で強引にでも創らなければならない。

中国の話題はどこでも出ますね。有名なのが「China Accelerator」中国とアメリカの協力の元に運営されております。

下の写真はシンガポールのスタートアップ向けワークプレイスの一例。

我々はどうすべきか

「いやいや、そんなことはない」「まだまだ行ける」というのは確かにそういう部分もあるし、そういう産業もあるでしょう。東京に限って言えば、スタートアップ関連もある程度盛んになってきたとは思います。

努力はしているかも知れない。しかし、素晴らしいでは、もう、足りない。世界と比較してどうなのかが重要。

しかし、他国は相当な国際化を進めており、その世界に散らばった人的コミュニティは今日明日にできるものではありません。非常に厳しい状況であるということと、他国の活動がとても早いので、いくら日本に底力があっても、どんどん超されてしまいますし、台湾などは欧米に大量に人を送っていますね。

我々はどうすべきなのかの私心をまとめておきます。

  • 可能な人は起業すること(無理はイケマセンが)。少なくとも行動すること。
  • 可能な人はスタートアップ(スケール型事業)を目指すこと。
  • 起業に関しては優れている部分もあるかも知れないが、どの国からも誰からも学ぶこと。
  • 企業側は自分たちのできることと、できないことを明確にして、外部と連携をDefaultとすること。その際にWinWinを必ず考えること。
  • 基本的な市場の視野を世界規模で見据えること(短期的には地域や日本が商圏でも、少なくとも長期的には)。
  • 海外との連携を図ること。自他共栄の精神と尊敬を忘れないこと(自社だけ、自国だけ儲けようとしないこと)。
  • 自分たちが世界にどうやったら貢献できるか?大きなビジョンと夢を持つこと。

人間が生きるのは、社会の利益のために存在するということだ。ただ生きてるのではつまらない by Shigenobu OOKUMA

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