01Blog / 会社員から起業する人がなぜ増えているのか

投稿者:Goda George
2017/08/19 00:00

会社員から起業する時に気をつけることというセミナーを2017年8月18日に行いました。多くの人にお集まり頂き感謝です。最近は東京がメインですがイノベーターの方々が企業をお辞めになって起業に向かわれるのが顕著ですね(アクセラレーターの応募をみればよくわかります)。

この流れは今後更に顕在化すると思います(社内起業家人材は、なぜ大企業を辞めていくのか)。一つには過去には良かったが、様々な理由で全てではないですが、特に大きな企業側ではイノベーション型(特に破壊・逸脱型)の事業が起こしにくくなっている背景があります。これは日本だけの要因ではなく、世界的な流れでもあります。

  • バーゼル規制の施行
  • 日本は1980以降の構造改革と過去のUS系のビジネススキームの輸入(←既にUS側では大幅に変更済)
  • 低金利・中央銀行の施策による(事業における資金需要に対しての)お金余り
  • 2000年後半で鈍化した欧米経済、2015年ぐらいで鈍化した中国経済、既存の市場拡大からイノベーションが重要に
  • イノベーションセクター人材の需要急増(欧米を中心にトップイノベーター人材が起業へ)
  • インターネットの普及によりBI(Before Internet)時代の弱い紐帯理論が変更され、強大・広範囲の密(F2F型・コンデンス型)で多様なイノベーションコミュニティ・エコシステムの形成
  • グローバル化の進展
  • シリコンバレーを中心としたStartup型事業の世界への伝搬(Equity Buyout型:簡単にいえば高速)

この結果として、垂直統合型で閉じたコミュニティでのイノベーション型事業がオープンではあるが「濃い」共同体型(国境も産業も会社も超えたイノベーター共同体)に勝てないというのが現状だと思えます。特に「新結合」で成り立つ事業イノベーションの世界ではですね。簡単にいえば、イノベーションとは「新結合」ですとなると、結合する「n数」が多い方が成功に至る確率が上がります。

但し、インターネットの普及で極めて弱いつながり(n数にはなりづらい)が爆発的に増えたので、強い多様で広範囲・セミオープンな紐帯(n数になり得る)が重要になってきたということですね。理想的には世界中から最適な人材をグローバル・イノベーター共同体から調達して、いわば「ドリームチーム」を創って、そこにお金がバンバン付く世界ではなかなか特定企業・特定地域等だけでという事業開発が難しい。その結果、日本に限らず「Fire wall」のある企業からトップイノベーターほど起業側に出てくるわけですが、この現象は欧米に比べれば極わずかかもしれませんが、東京を中心に顕在化しだしたというところです。

驚くことに日本は先日訪問したシンガポールと比較してリスクマネー(いわゆるVC投資)は、なんと対国民あたりで言うと200倍も少なかったです。そもそも継続型文化の日本にEquity型のスタートアップが合うのか?という議論はあると思いますが、それにしても差がありますね。果たしてこの東京を中心とした起業に向かう流れが今後、どのように日本の経済に影響を与えるのか?は注意深く見守って行きたいですね。

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Goda George
共同代表 取締役:01Booster Inc.

MBA、理工学修士。東芝の重電系研究所・設計を経て、同社でSwedenの家電大手とのアライアンス、中国やタイなどでのオフショア製造による白物家電の商品企画を実施。村田製作所にて、北米向け技術営業、Motorolaの全世界通信デバイス技術営業を実施、その後、同社の通信分野のコーポレートマーケティングにて全社戦略に携わる。スマートフォン広告のNobot社に参画、同社Marketing Directorとして主に海外展開、イベント、マーケティングを指揮、KDDIグループによるバイアウト後には、M&Aの調整を行い、海外戦略部部長としてKDDIグループ子会社の海外展開計画を策定、2012年3月末にて退社。現在は01Boosterにて事業創造アクセラレータを運用すると共にアジアにおけるグローバルインキュベーションプラットフォーム構築を目指す。

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