会社員から起業する時に気をつけることというセミナーを2017年8月18日に行いました。多くの人にお集まり頂き感謝です。最近は東京がメインですがイノベーターの方々が企業をお辞めになって起業に向かわれるのが顕著ですね(アクセラレーターの応募をみればよくわかります)。
この流れは今後更に顕在化すると思います(社内起業家人材は、なぜ大企業を辞めていくのか)。一つには過去には良かったが、様々な理由で全てではないですが、特に大きな企業側ではイノベーション型(特に破壊・逸脱型)の事業が起こしにくくなっている背景があります。これは日本だけの要因ではなく、世界的な流れでもあります。
この結果として、垂直統合型で閉じたコミュニティでのイノベーション型事業がオープンではあるが「濃い」共同体型(国境も産業も会社も超えたイノベーター共同体)に勝てないというのが現状だと思えます。特に「新結合」で成り立つ事業イノベーションの世界ではですね。簡単にいえば、イノベーションとは「新結合」ですとなると、結合する「n数」が多い方が成功に至る確率が上がります。
但し、インターネットの普及で極めて弱いつながり(n数にはなりづらい)が爆発的に増えたので、強い多様で広範囲・セミオープンな紐帯(n数になり得る)が重要になってきたということですね。理想的には世界中から最適な人材をグローバル・イノベーター共同体から調達して、いわば「ドリームチーム」を創って、そこにお金がバンバン付く世界ではなかなか特定企業・特定地域等だけでという事業開発が難しい。その結果、日本に限らず「Fire wall」のある企業からトップイノベーターほど起業側に出てくるわけですが、この現象は欧米に比べれば極わずかかもしれませんが、東京を中心に顕在化しだしたというところです。
驚くことに日本は先日訪問したシンガポールと比較してリスクマネー(いわゆるVC投資)は、なんと対国民あたりで言うと200倍も少なかったです。そもそも継続型文化の日本にEquity型のスタートアップが合うのか?という議論はあると思いますが、それにしても差がありますね。果たしてこの東京を中心とした起業に向かう流れが今後、どのように日本の経済に影響を与えるのか?は注意深く見守って行きたいですね。