瞬きで撮影できるカメラを創る、イノベーター高瀬CEOの素顔

投稿者:Tsuji Kouji
2017/09/12 06:30


■ゲスト

高瀬昇太(Shota Takase)

株式会社BLINCAM CEO & Founder。大学卒業後、SEとしてIT企業に入社し、働きながらMBA(経営学修士)を取得。その後、ジョンソン・エンド・ジョンソンに転職。システム部門でキャリアを積んだ後、株式会社BLINCAMを創業。スマートフォンや既存カメラでは、人の本来の姿は撮影できないことに気づき、瞬きで撮影するカメラを考案する。2016年に実施したクラウドファンディングにて、目標金額を大幅に超える約3,000万円(合計)を達成。


■インタビュアー

亀岡俊寛(Toshihiro Kameoka)

2005年に人材サービス企業に入社。セールス・新規事業開発などを経験する。安心して働くためには、保育環境を整える必要があると感じ、2012年10月に株式会社ラボアンドタウンを設立。小学生の放課後を預り、「子どもと家族の自己実現」を目指すアフタースクールを運営中。 2017年2月より、01boosterに参画。


辻孝次(Koji Tsuji)

IT代理店にてNTT、KDDIの企画営業、Yahoo!ショッピング出店舗へのマーケティング業務。住まい・結婚などライフスタイル関連の新規事業開発、テレビ局・飲料メーカー・ゲーム会社などのPR・コンテンツ開発に携わる。2011年に独立し、企業の人材育成・新規事業立上げ支援、Web・アプリプラットフォーム設計、エンジニア育成アカデミー運営。2012年に孫泰蔵氏の第2期 SeedAccelerationProgram MOVIDA Scholarship に選出。オールアバウトにて新規事業立上げに従事。2017年01boosterに参画。


辻孝次(以下、辻):事業創造の支援をしているゼロワンのインタビューでは、他のメディアでは語られていない、起業家やイノベーターの方々の本音や素顔をお伝えできればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

高瀬昇太氏(以下、高瀬):こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします。

:まず、ブリンカムさんの社名の由来を教えていただけますでしょうか?

高瀬:はい、実は社名はもともとウィンカムで考えていました。ウィンクで撮れるカメラでわかりやすいほうがいいかなと思っていたのですが、商標が取れなかったのでブリンクにしました。ウィンクは片目、ブリンクは両目を閉じる瞬き。ブリンクでもいいの?という人もいたので、両目でも撮れるし、ブリンカムでもいいかなと思い決めました。

:第一候補がNGだった後、社名はパッと決まりました?そういった場合、悩まれる起業家は結構いらっしゃいますよね。

高瀬:ウィンカムがパッと決まって、商標が取れなくて、何にしようかなぁという時は結構議論しましたね。色々出してみて、どれもパッとしなくて。もういいやという感じで決めました笑。

:その時は他にどんな候補がありましたか?

高瀬:日本語で「瞬き」とか。あとフランス語で何かの神話に出てくる神様の名前とか笑。そういうのを色々出したりしましたね。

でもどれもしっくり来なかったんですよね。結局わかりやすいほうがいいので、社名とプロダクト名が違うところもあると思うんですけど、全部一緒でいいかなと思い簡単な名前に決めました。



ITは目的ではなく、世の中を良くするための手段

:前職から起業に至った経緯ををお聞きしたいのですが、起業する前にジョンソン・エンド・ジョンソンさんにいらっしゃって、その時はどういったことをされていましたか?

高瀬IT部門にいて、社内システムや業務アプリの開発、プロジェクトマネジメントなどをしていました。営業や社内の間接部門にヒアリングをしたあと、システム要件定義と予算算出をし、決済をとり、開発するという流れでしたね。その前も、5,6年くらい別のSIerSEをやっていました。ジョンソン・エンド・ジョンソンを入れるとSEは約8年です。

8年サラリーマンをやり、起業とは縁遠い生活だったので、(起業は)少し離れた世界のことだと思っていました。

前職は技術志向の人が多かったのですが、技術発信でしか物事が考えられないのがちょっと嫌でした。自分もSEでしたが、ITは世の中を良くするためのツールでしかないと思っていたので、BONDBBTというところでMBAを取りました。


事業アイデアは、言っているだけでは意味がない

高瀬:今後のサラリーマン人生を考えた時に、転職したり、出世したりというイメージでMBAを勉強し始めたんですけど、結局(起業は)それがきっかけになりました。起業は、どんな人でも少しくらい興味あるじゃないですか?

「こんなことができたら面白いよね。」「儲かるんじゃない。」というやりとりは沢山あると思うんですけど、みんなそこまで本気ではない。

自分もそんなことを知人と話していて、でも言っているだけで何もしていなかったです。ただそれもつまらないなぁと思い、Startup Weekendというイベントに試しに行ってみて、そこで起業の世界、スタートアップに触れました。

初めて知った、スタートアップの世界

高瀬:それまでの起業は、借金してお店を開いてという中小企業の起業イメージしかなかったですが、スタートアップは全然違っていました。コミュニティ、人種、方法論、何もかも違いました。そこから色んなイベントに参加するようになり、知り合いも増えていきましたね。

スタートアップの起業家に色々話を聞いていくと、大変そうだけど生き生きしていました。やっぱり自分のやりたいことを必死にやっているというのはいいなぁと、どんどん惹き込まれていき、スタートアップを立ち上げることが身近に感じるようになってきました。

どこかのタイミングで起業したいなぁという感覚はありつつ、でも具体的に何をどうしようとかはなかったんですけど、2年前にStartup WeekendIoTというイベントに出ようという話になって、そのハードウェア界隈の話を聞いていく中で、もしかしたらIoTとかハードウェアのところって割と面白いんじゃないかなという考えを持っていきました。

それで自分自身はつくったこともないけど、最近ものづくりスタートアップとか言われているので、やりやすくなっているんじゃないかなと思い、アイデア一つでやり始めたという流れです。


事業アイデアが生まれた瞬間

亀岡俊寛(以下、亀岡):30歳くらいの時にMBAを取り始めたという感じですか?

高瀬:そうですね、2012年だからそれくらいですね。

亀岡:今おいくつですか?

高瀬:今36歳です。

亀岡:じゃあプラン構想されて、4年くらい経たれているということですか?

高瀬:いえ、プランは2年少し前のStartup Weekendで出したのが初めてですね。ここに参加しよう、ピッチしようと思い、前日くらいに出来上がったという感じです。事前に温めていたとかでは全然ないですね。

単純にこのトレンドがきてるとか、これだったら金儲けできそうとか、そういったものは続かないと思っていました。自分のモチベーションが続いて、原体験、身近な課題はなんだろうと考えていたら、やっぱり子どもでした。

今の日本は恵まれているので、生きていけますし、大体のモノは揃っているじゃないですか。何もなくてすごく困るということはないです。

また、自分がすごく困っている人を助けようというほどの人間ではなくて笑。

(一同笑)

高瀬:そういう人もいると思いますし、素晴らしいと思うんですけど、自分はそこを主体として動くような人間ではないです。だから自分が欲しいものを、身近でモチベーションをつくろうと思いました。子どもってどんどん成長するし、スマホを向けると嫌がって、あるいは構えてしまい、つくった顔しか結局残っていなくて。。

そこから、自分の見ている世界をそのまま残していけたらいいんじゃないかなという想いが生まれました。

全ての人に共通すると思いますが、時間は戻らないので、それが残せないと機会損失になると考えました。見ているものをそのまま、瞬間的に記録するというのは面白いと思い、つくり始めたという流れですね。


理想と現実のギャップ

:そこからやろうという気持ちが生まれたのですね。その時には、一緒につくる仲間がいた状態で起業しましたか、もしくは起業してから仲間を集めました?

高瀬:起業してからですね。Startup Weekendのイベントの中でチームをつくるんですけど、4人チームで始めて、そのうちの1人が残ってくれました。そこから知り合いの知り合いみたいな人たちを辿ったり、イベントがあればピッチして、会った人に声をかけてということを地道にやり誘っていきました。

僕はカメラをつくったことはないので、最初は3Dプリンタとかで簡単につくれるだろうと安易な考えでいました。機能試作はその通り簡単にできたんですけど、メガネには全然乗らないデッカいやつで笑。

結局それをつくるのにも1年掛かり、そこからメガネの上に乗せられるものを、さらに半年掛けてつくりました。一方、クラウドファンディングだけは先にどんどん進んでいきました。よって製品のお届けが全然間に合わず、ユーザの方々にご迷惑をお掛けしてしまいました。

:仲間集めや資金調達、プロダクト改修やユーザ獲得を同時に進めていき、リソースが足りなくなった。どの起業家でも起こり得ることですね。

高瀬:そうですね。もし自分がシリアルアントレプレナーだったら、もっと節約したり上手くやっていただろうなとは思いますが、やってみて初めて知っていきました。

こちらは1/4記事目になります。
「人生を賭けた、無一文からのスタートアップ」2/4記事
「生死を分けたクラウドファンディング」3/4記事
「世の中に新しい価値を届ける」4/4記事
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投稿者
Tsuji Kouji
株式会社ゼロワンブースター

IT代理店にてNTT・KDDIの企画営業、Yahoo!ショッピング出店舗へのマーケティング業務。住まい・結婚などライフスタイル領域の新規事業開発、テレビ局・飲料メーカー・ゲーム会社などのPR・コンテンツ開発に携わる。2011年に独立し、企業の人材育成・新規事業立上げ支援、Web・アプリプラットフォーム事業設計、エンジニア育成アカデミー運営。2012年に孫泰蔵氏の第2期 SeedAccelerationProgram MOVIDA Scholarship に選出。オールアバウトにて新規事業立上げに従事。2017年01boosterに参画。
【専門分野】新規事業創造、経営戦略、Webプロモーション・プラットフォーム設計、UIUX、マーケティング

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