最も大切にしていることは「謙虚」

2018.05.24

先日の岡山で開催されたStartup Kingdomのイベントで起業家の方のお話を二人聞きました。一人目の方から得たインスピレーションはこちらです。もう一人(バイアウト組)からは「謙虚」という言葉にとても共感しました。

ベンチャー企業への外部の目は偉人から底辺扱いまでとても幅広い

これがすごく大きいですよね。時には先生、英雄扱い、時には底辺扱いです。これを如実に感じたのは買収されたときでしょうか。買収された側は「官軍」買った側は「購入物」というイメージです。当初はお互いに気を使ってますが、途中からその感覚が噴出したのを覚えております。

対峙するコミュニティによって、時間軸によって扱いが物凄く異なるので、これが困りものです。あるコミュニティでは「英雄」か「先生」、あるコミュニティでは「下請け扱い」。これがスナップショット。時間軸でも成長に応じて、底辺から英雄を半年ぐらいで駆け上がったりします。問題は本人たちは大して変わってないってことですね。

人はなかなか変われない

我々は大学の研究者の事業化の支援をしたりしますが、ある研究者が言っていたのが象徴的です。とても、研究系ではレベルの高い方です。かつ、デフォルトで謙虚な方です。

最初は技術の話をしていたが、相手は全く興味がない。なので、技術の話をせずに、どんどん、ビジネス側の話が多くなって聞いてもらえるようになった。また、いつも、先生として聞いてもらえる側にいるが、そうではない世界の難しさを思い知った。

つまり、なんら高慢でもなんでもないわけです。しかし、その立場で慣れていたものが、別の世界に行ったら全く通用しないということですね。これは大きい。特にコミュニティが閉じる日系の場合、意識してでも外に出てボディーブローを喰らわないとなかなか自分に向き合えないところです。

スケープゴードとストーリー性を人は求める

失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織」はとてもオススメの書籍です。もう一つ、「生命を燃やすことと失うことの違いと思考の関係と、二元論への終止符」もとても参考になるエントリーです。つまり、人は自分の認知不協和、あるいはプライドがありますから、あの人が悪い!とか、あの会社が悪い!と何かを決めつけて、自己弁護したくなるもの。また、脳はストーリーで物事を理解しますので、ストーリーに合わないものは自然とはじいてしまう、または、自分の知っていることで判断してしまう。つまり・・・

現象は複雑なのに、解釈側は間違った解釈をするので、想定される課題はそもそも多くの場合間違っている

ということです。なので、相当慎重に、冷静に考える必要があります。何故か、研究の世界では自分たちは間違っているかも知れない、と、一生懸命検証して、真の答えを導こうと努力し、更に、それの間違いを探して大発見をするのに、経営の世界では何故かそうなってません。

結局、謙虚は尊い

デフォルトで人は高慢に陥りやすい。これが変化の大きな起業の分野、イノベーションの分野ではとても起こりやすいことです。その結果、学ぶことを忘れて、間違った解釈で間違ったことをやり始めるので、「最終的な」失敗(失敗自体は内省が伴えば、最もコストの安い前進方法で推奨されるが・・)につながり、かつ、なぜ失敗したかを自分で認められないということになろうかと思います。

つまり、とにかく、意識して「謙虚」を自分に言い聞かせることが必要。散乱したら掃除する。散乱したら・・と。常に謙虚に謙虚にと自分に言い聞かせることが肝要だと思えます。

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