全体を見れば雇用流動性が低いわけではないが、積み上げ(累積型)の人事制度になっているため、モチベーションの低さと変化への対応、(改善型以外の)イノベーションに弱い組織体系になっていると予測される。
日本の雇用流動性が低いという話はよく聞きますね。でも、これは多分、あるセグメントがそうだということであって、日本全体の話では無い気がするのです。実際にはどうなっているのでしょうか?
まず、電機連合の14カ国の国際的な
意識調査があります。電機連合(電機メーカ系)なので、どちらかというと日本では転職しない部類の業界であると思いますので、日本全体を表しているわけではないと思いますが、ここで要点を抜き出してみます。
- 転職の意志は3位、実際の転職経験者は10%と最低。つまり、そこそこ転職したいんだが、実際にはほとんどしない。
という感じです。上記のエントリーの
元データをベースに特異値(日本だけが高い、または低い)を拾ってみて分かるのは、下記ですね。もやっとした感じです。どっちつかずというところですね。
よくも悪くもない。
http://www.jeiu.or.jp/research/010814/table/#3-1
- ある程度、会社は良くしてくれる。一方、会社を良くするためにはそこまで気合が入らないが、自分に良くなるならそこそこ。社内でそこまでの格差は無いが、無くもない。
さて、こちらにも
エントリーがあります。電機連合よりは一般的な日本像に近そうです。
- 20代の転職未経験数は男女ともに大きいが、30代になると一気に転職未経験数は諸外国並みに減ります。特に女性が世界的に見ても転職をする。
- 転職において賃金の不満からという理由が極めて少ない。
- 転職すると管理職になっている数が極めて少ない。
- 転職すると年収が減る率が高い。
上記を踏まえると、(好む好まないはあるものの)管理職にもなり難い、給料も下がる場合は転職をためらうのは当然とも言えますね。日本の解雇規制が厳しいという話もありますが、それは
ここにまとめがあります。厳しいのは事実だがもっと厳しい国もあるという感じでしょう。
ITUCによるとそこそこ労働者の権利は守られている方ですね。
まとめると、日本は
現行では転職するメリットが薄い。一方、そのため、会社に合わないヒトも我慢してとりあえず勤めているケースが多く、市場が伸びていない世界では内向き化が進み、新しいものを取り入れる力が弱いというところでしょう。人事制度に関しては
こちらを。
最も問題なのはこの状態では多くのヒトが力を活かしきれておらず、しかし、国際競争が今後、弱くなる可能性は無く、変化なしには生き残れない事実の前に何が起きていくのでしょうか。
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ttp://www.ituc-csi.org/new-ituc-global-rights-index-the?lang=en
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