雇用がジョブ型になったら

2020.04.02

最近は特に日本の大手企業を中心としたパートナーシップ型(新卒採用してローテする)からジョブ型(各職務に対して給料が決まる)への移行がいわれております。そもそもジョブ型は会社を超えた横方向に人的なつながりを持っていることとセットですので、日本のように比較的社内で社会関係資本(ネットワーク)が閉じている場合には色々問題は起きそうではあります。この点は他に色々な記事や書籍が出ておりますのでそれを参考にして頂くとしてここでは深堀りしません。

さて、ジョブ型になるとその人のいわゆる能力がみられますので、経歴とか学歴とかが重視されて、そのタスクをこなせるかどうか?が重要になるとは思います。「海外のイノベーションレイヤーの人のハイスペックの凄さ」にも記載しましたが、この仕事スタイルだととにかく、ハイスペック化が起こると思われます。ジョブ型系の国で学費の高騰(特にUS)や高学歴化(いわゆる修士、博士出)が極端に進みゆくのは必然でもあります(逆に日本が進まないのはパートナーシップ型が強い)。

ちなみに、ベンチャーとか中小企業のある程度はこのジョブ型であると思えます。新しい!というわけではなく、社内で長期に育成するというそこまでの余裕がないというのが実情でジョブ型ライクにならざるを得ないというところでしょう。

ジョブ型で気になるのが、経歴になると思います。WashingtonDCでの「海外のイノベーションレイヤーの人のハイスペックの凄さ」のときに、欧米の大手食品会社の人がいました。新規事業をやっているということで、ちょうど社内提案されているときでした。今日GO/NO GOが決まるかも!?という感じです。ちなみに、転職とかで。今、何社目?と聞いたら忘れましたが、まだ30歳ぐらいなのに、7社とかだったか? 起業はしないの?と聞いたら、将来的にするかも知れないけど、今はライフタイムバランスで境遇には満足しているとのこと。これも一理あります。

ここで思ったのは、新規事業がその会社で通らなかったらできるところに移る(転職する)という感じです。それでも駄目なら起業を選ぶとのこと。

要は事業立ち上げのスキルはやらないとつかないので、実行できないとつかない。この点で合理的な判断だと思いました(選択肢をたくさん持つ、ジョブ型では経験がものをいうので)。社内起業ですので、信用・給料ゼロからの起業のスキルはつかないかも知れませんが、うまく社内で通れば、大手企業での事業立ち上げスキルはそれはそれでとても有効です。

同じ会社に勤め上げることはロイヤリティの観点でも素晴らしいと思います。一方で、ジョブ型になると、やはりある程度の転職歴はあった方が良いようにも思えます(同じ会社ですと長年培った社内の社会関係資本、助けてくれるネットワークがあるので実行したものも入社年数と共に割引がかかるようにみえます)。仮にジョブ型時代の事業創造的な方向性を考えると、とにかく、「行動して」、「前に進むこと」だなぁと思います。

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