01Blog / 僕が起業やスタートアップから学んだこと

2016.07.16

長い間、電機メーカーや部品メーカーに勤めて、通信会社系にも一時期在籍しました。ちなみに、今でこそ5-6社めとなりますが、元々、石の上には3年主義者ですので、特にジョブホッパーでもありません。単純にマクロ環境がその場に留まる事を許さなかったのと、多分、多くの偉大な起業家の1万分の1ぐらいの行動力があって今、起業の世界にいます。現在は、General Electricのような巨大企業がスタートアップに学ぼうとしています。一体、何が学べるのでしょうか。それを私の話にはなりますがまとめてみます。

是非、スタートアップへの道へ、但し、慎重に

多くの企業にお勤めの方にもお伝えしたいのは、一度きりの人生であればチャレンジした方が良いと思います。同時にあまりにも環境が違うので、できるだけ慎重に博打のような事をしないで(潔くなくて良いかと)、最初は肩慣らし(スタートアップにJoinなど)すべきだと思います。それぐらい、どれぐらい社内で新規事業に携わっていようが、ゼロからイチの能力というのは皆無という理解で良いと思います(そう自制した方が後々良い)。

但し、主体的に関わらなければ本質的にはスタートアップとしての能力開発は難しいです。話した、交流した、ちょっと投資をしたではなかなかわからないと思います。自分がそこに人生の一時期でも主体者として運命を共にしたかどうかであると思います。

スピードの圧倒的な違い

古い話になってしまうかも知れませんが、ワープのようなイメージでしょうか。急にレーシングカーの後ろ座席に乗せらて、アクセルベタ踏みされた感じです。オペレーション型の新規事業では効率・分析などになりますが、スタートアップではイノベーション型ですので、やらないと分からない。1週間で方針がコロコロ変わるあたりもなかなかいいです。

自分が如何に常識に縛られているかを思い知る

これは仕方がないとは思えます。ある程度、仕事を一生懸命(私はそうでも無かったかも知れませんが)してきたのであれば、そこに法則性を見つけて、自分なりのやり方や哲学をベースに効率化すると思います。しかし、多くの場合、常識が過去の会社等の場合と真逆になるので、そこへAdoptするのに結構な時間を要しますが、PDCAを大量の実施するので、この点で、失敗(または成功)とそのラーニングを繰り返すので、かなり常識に縛られないようにはなるかも知れません(しかし、自分の常識に疑いを持ち続けないと直ぐに自分の心に常識という名のこだわりが出てしまいますが。。。)。

自分の市場での位置は良く分かる

良い・悪いはありますが、自分の市場での位置は良く分かります。会社名で知らず知らずに格上げされていた部分は現実を思い知るし、逆に良く見てもらえる分もあります。つまり、自分が使えると思っていたものが使えないとか、ここか?というところが頼りになったりとか。市場が判断する(つまり、使えない部分ではマネタイズできない)ので、これは分かりやすいですね。市場という調整が入るので(時流に乗ってしまうなどの何かのキッカケで持ち上げられたりしない限りは)自分のある程度正確な位置を知ることは大きいと思います。また、正確に知ろうとしないとなかなかその後がうまくいかないですね。

マネタイズというものを知る

これは大きいと思います。価格がはっきりしているものはともかく、なかなか何も背景が無い中で「価格」を決め、かつ「相手にお金を請求する」というのは実はかなり難しいものだと思えます。ボランティアだと生きていけませんので、何か、無償で貢献するとしても、どこかでマネタイズ手段を持っている必要があります。無償であればいくらでも話は進みますが、お金の話が出ると疎遠になることは多々ありますので、ここら辺は、まぁ、現実を知るということになるかと思えます。いずれにしろ、バックグラウンドがないところで価格を決めて、顧客にお金を請求するということは多くの場合、大きなステップになるかと思えます。

市場への知見とネットワークの広がり

人にもよるとは思いますが、ネットワークや情報は極めて広がりますね。大きいのは、自分たちも情報開示をできることです。会社だとそうも行かない。後は、じゃ、やりますか?と直ぐ決められるのも大きいです。会社で取れる情報もあるし、お金をかけて調査もできるでしょう。ここは難しいんですが「飛び地」の情報は非常に取りやすくなります。多くの場合、ビジネスは「組み合わせ」ですので、この点は大きく学べることがあります。

アピールやビジョンというものを知る

これも人によるでしょうが、叫ばなければ聞いてもらえないので、アピールする(多方面に)ことは知るかと。後は、ビジョンの重要性も分かります。これは社内外にですね。ある程度「盛る」事も分かるようになりますね。何かを正確に言うこと、あるいは、自信の無いことはネガティブに言うケースが製造業や技術系では多いですが、そうなると、そもそもその後話してもらえません。なので、できるなのか、よく言うのかわかりませんが、興味を持ってもらって、その後、必死で言ったことに合わせるという形で成長が加速されます。

成長により会社を形作るということが分かる

例えば、オフィスも保険もなんでも最初は無いわけです。当然、評価制度もありません。これを成長に合わせて適宜作っていく必要があります。これを場合により、かなりの短期間で創っていくのはなかなかできない経験かも知れません。

カオスに強くなれる

とにかく、味わったことの無い「カオス」になるので、これは最初は非常に辛いのですが、人間は不思議なもので、だんだん慣れてきます。この「カオス」というのはできれば味わった方が良いかと思います。その時はなんとも心細い感じなんですが、大きな人間的な成長につながるかも知れません。自分に対して非常に多くの事を考えますね。

なんとかもう一個ぐらい創れる気がする

やりたいかどうかはともかく、どうしょうも無くなったら、もう一個ぐらい会社を創って、ある程度の売上にはできるかなー?とは思えるかと思います。まぁ、サバイバル術とでもいいましょうか。

大変だけど面白い

「不安はあるけど、不満はない」というところですね。色々たいへんな想いももちろんするんですが、面白いのも事実です。それを楽しめるかどうかは個人差もあると思いますし、気分の落ち込み・盛り上がりもなかなか激しいですが、ワクワク感はかなり味わえますし、今後のキャリアの一つとして、起業・スタートアップを選ぶのもこれからの不透明な世界では良いのではないかと思います。

何故なら、先進国ではイノベーションとそれを実行する「個人」に価値が有るのですから。

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