常識や習慣、人間は過去の経歴・経験に物凄く左右されることをこの起業の業界に居ると強く感じます。問題はそれが本人にとっては当たり前(無意識)なので自己認識が非常に難しいということですね。
会社員から起業に向かう人が増えている
最近、個人メンタリングの公募や01Dojoを通じて思うのは様々な団体(会社、場合により先代から引き継いだ会社、行政等)を抜けて起業に向かう人が多いことです。そこで強く感じるのがその人の「クセ」です。
例えば、弁護士の方が居たとしましょう。法律の話や弁護士系の話をしている時は非常に頼もしい。一方、そこから外れた新しいビジネスモデルの話をすると、非常に弱々しくなります。もちろん、これは普通です。どんなに優秀でも最初に考えた(考えただけの)ビジネスモデルはモヤモヤだからです。
誰もが考え方や行動に物凄くクセがある
問題はこれですね。「強みで闘う ≒ 過去の経験を使う」なので悪いわけではないんです。ただ、非常に偏っているんですよね。例えばマネタイズ手段もビジネスモデルも様々あり得るわけです。例えば、01Boosterの事業体を定義した場合・・
と様々に定義されます。ここで、教育出身の人は教育的「マネタイズ手段」や「事業モデル」に偏るでしょう。つまり、鳥瞰図的に見る時に「自分の無意識のシフト」が入っているのです。この無意識のシフトは物凄く頑固です。私は元々が研究出身ですので、多分、「新しい真実を発見すること」に喜びを感じます。なので、このようにきっと志向しています。
説明責任を意識すぎていないか
様々な現象があるんですが、一つ、ある意味しっかりした会社を出た人に多いのが「説明責任を意識し過ぎていないか?」ということです。これは市場だとか顧客向けとかではないんです。会社の頃に存在した、既にその存在は居ない「架空の社内の人(上司・同僚)」です。
会社(組織)の中というのは必ずしも市場ニーズに応じて動いていません。一方でスタートアップや起業では市場でどう生き残るか?ということの比重が大きいですね。
市場を見ているのか?社内を見ているのか?この差は極めて大きい
社内向けでも市場向けでも「マーケティング」と捉えることはできますね。ただ、そこで判断される「軸」は異なるのです。なので、何か、ロジックで納得しないと(それは起業やスタートアップでは既に存在しない架空の誰かを説明するための)動かない人をたまに(頻度高く?)見かけます。慎重だという考え方もありますが、バーンレートのあるスタートアップでは死活問題になり兼ねません。
この結果、細かく、確認しないと動けなくなるか、動くのが遅くなります。狙っているのはまだ見ない(存在しない)市場なわけです。少なくともスタートアップでは。なので、確認しても分かることは(会社内で多く行われている)持続型・オペレーション型の新規事業とは大きく異なるのです。
感覚的に自分の5感、場合により6感も研ぎすませて市場の声を聞き、客観的に評価する必要があります。相手は全く分からない闇なのです。その闇に関しては探針を打ち込まない限り、何も分かりません。
慎重なこと、ロジックで理解することは悪いわけではなりません。しかし、イノベーションは「アート」なのです。まずは、行動とロジックで行動の比率を10倍ぐらいに高める意識をしてはどうでしょうか。