【起業家インタビュー】edison.ai CSO 山浦 真由子氏

2017.03.15

【起業家インタビュー】

ゼロワン起業家インタビュー【第三弾】はedison.ai CSO 山浦 真由子氏にお話を伺いました。

 

edison.ai CSO 山浦 真由子氏

アメリカに留学し、卒業後は現地のIT企業でデジタルマーケティング職を経験。

帰国後、外資系のリサーチ会社に勤めたのち起業。



自分自身が欲しかったものだったりしたので

これはくるな!と思って

  

まず、事業内容を教えてください。

人工知能の画像解析を応用してマーケティングに活かせるようなソリューションを提供しています。メインは画像解析を使ってソーシャルメディア上の画像の分析をして「いつどこで、誰が、どういった製品を使っているか」という情報を企業に提供する事業をしております。


やはり今、画像解析が求められていると感じますか?

日本でも昨年くらいからすごく流行ってきましたよね!ただ、人工知能を扱う会社さんは結構あるんですけど、ソーシャル上の画像解析に特化している会社はまだ少ないので、そこで結構弊社にお問い合わせいただくことは多いですね。


起業のきっかけ、経緯を教えてください。 

もともと私のバックグラウンドがマーケティングなので、マーケティングの関係から何かスタートしたいなと思っていました。共同創業者が技術者なのですが、当時彼が「画像解析でソーシャルメディアの画像解析できるんだよ」と言っているのを聞いて、そういうのって自分自身がデジタルマーケティングをやっている時に欲しかったものだったりしたので、これはくるな!と思って一緒にやったのが始まりですね。

私の略歴としては、まず大学時代にアメリカに留学して、そのまま現地で就職しました。そこでデジタルマーケティングをやって、日本に戻ってきて外資のリサーチ会社で働き、今に至ります。アメリカでデジタルマーケティングをやっている時、「君はアジア人だから東南アジアの製品みてよ」と言われた事があったんですけど、そんなにざっくり分けられても、わからない言語もあるわけで(笑)その時、マーケティングには言語の壁があると感じ、画像の分析は有効だと強く思いました。


アメリカと日本のデジタルマーケティングで何か違いは感じましたか?

 やはり、アメリカの方が日本よりデジタルマーケティングの分野は進んでいて。日本だと利益に直結をしないと予算が割けなかったりていうことがあるんですけど、アメリカは新しいものに投資をしていく文化があるのでその点で成長できる環境でした。日本はまだテレビの視聴率が強いですけど、アメリカではグーグルアナリティックスなんかが出てから、視聴率の重要度が低くなったと思うんです。ただ、日本だとまだまだテレビCMの重要度は高いですよね。企業内でも、実際にマーケティング周りで働かれる方は視聴率以外の数字もみてて、積極的に新しいことにも取り組もうとされているんですけど、その上に立っている方、承認を出す方はコマーシャルで成功した世代の方達だと思うので、その方達を説得するのがきっと難しいのかなとは思いますね。

 

「人が人を育てるんじゃなくて、仕事が人を育てるんだ」

正にそうだなと感銘を受けました。


これまでに、KIRINアクセラレータープログラムに参加されていますが、いかがでしたか?

企業の皆様に、自分たちが聞きたいことがフランクにヒアリングができる。という環境に身を置けた事は、本当に良かったです。大企業のプロセスが知れたり、自分たちの事業がどこに刺さるのか?(例えば、デジタルマーケティングの部署なのか、リサーチ、ブランディング経営企画かなど)部署ごとの分析結果の使用方法を知ることができたのも今後のためになりました。思えば、期間中、もっと積極的になれば良かったな・・とは思います。少し遠慮しちゃったのは勿体無かったかなと。また、対企業さん向けの提案の資料作りには苦労しました。

KIRINメンターの佐野さんがかけてくださった言葉で、「人が人を育てるんじゃなくて、仕事が人を育てるんだ」というのがあって。正にそうだなと感銘を受けました。目の前のタスクがその人の態度を変えていくんだろうなと思いました。難しいことがあっても、それができるように成長していくし。私も前は企業に勤めていたので、そこまで自分から積極的に行かなくても良い環境でしたけど自分で事業やるとなると自分が動かないと何も起こらないし。そういったマインドの部分でも学びがありますね。


ゼロワンに関わっていかがでしたか?

 会社!仕事!というスタンスではなくて、本当に応援したいんだというスタンスでスタートアップ支援をされてるんだなという印象を受けました。フランクにいろんな方を紹介してくれたり、ミーティングセットしてくれたり。アクセラレータプログラムでもプログラムが終わった後も、日頃のサポートから契約書面など助けていただき、ゼロワンはすごくいいチームだなと思いました。

あと、対企業との話の仕方が上手なので、頼りになりますね。ただ、1点、対スタートアップに対しては、スタートアップのマインドセットと若干離れてるんじゃないかなと思うところはありました。もっとフランクに横のつながりも持てれば良いと思っています。

 

起業に興味があるなら、イベントに行くとか

実際に起業している人に話し聞くとか

他者と接点を持った方が良いと思います


会社としての今後の展望や実現していきたいことはありますか?

今はソーシャルメディアの画像解析をやっているんですけど、もともと人工知能なので、そこをもっと他の分野にも使ったり、分析だけじゃなくてAIを使った提案ができるようになりたいと思っています。


—現在採用活動はされていますか? 

今はパートタイムとかプロジェクトベースで一緒にできる人材を探していますね。B2Bの営業ができる人、デザイナー、エンジニア、AIエンジニアを求めています。弊社は国際色豊かで、フランス、香港にもスタッフがいるので英語が喋れないにしても、他の人の価値観を尊重できる。そんな人が理想ですね。何事にも柔軟に対応できて、失敗から学んでいける方。


—起業したいと思っている人へメッセージをお願いします。

「完璧に準備できた!」ってタイミングは絶対来ないので、やりたいことがあったら迷わず行動を起こした方が良いと思います。「できたらいいなぁ」と思ってモヤモヤ過ごすよりは、やってみた結果別のアプローチにするのか、諦めるのか決めればいいと思うので。決断しないっていう決断は人生にとってロスです!山登りじゃないですけど、ちょっとずつ登ってここまで来たんだっていうのが自信につながっていくので、その小さな成長を続けていくことが大事です。出来ないことに直面することもたくさんあるんですけど、出来るようになったことに目を向けていく。

あと、起業に興味があるなら、イベントに行くとか、実際に起業している人に話し聞くとか他者と接点を持った方が良いと思います。私も以前は、人に何かをお願いするのに躊躇する性格だったんです。悪いなぁって思ったり。でもスタートアップをやってたらそんなこと言ってられないので(笑)思ったことをできるだけ聞けるようにはなりました。「こういうの探してるんだよね」って言うと、結構知ってる方はいますし、自分が悪いなと思っているほど向こうは気にしてないというか。好きじゃないと続けていけないので、自分のやりたいことに情熱を持つのも重要ですね。


edison.ai 

・・・