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社内新規事業、挑戦から大型化へ!新たな時代の幕開け|第2回日本新規事業大賞レポート 

~大迫力のピッチの末、大賞にキリンホールディングス株式会社発「premedi」田中吉隆さん、オーディエンス賞に日本製鉄株式会社発「KAMAMESHI」小林俊さんが輝く~

2025年5月8日、企業の可能性を拡げる事業を立ち上げ、それにより企業変革を成し遂げている、大企業・中小企業の新規事業に賞を贈る「日本新規事業大賞」の最終審査が行われました。第2回目となる今回は、大賞に加えオーディエンス賞を新設。ファイナリスト7名のうち、大接戦の末、大賞にキリンホールディングス株式会社発「premedi」田中吉隆さん、オーディエンス賞に日本製鉄株式会社発「KAMAMESHI」小林俊さんが輝きました。会場は、満席を越えて立ち見の観覧者が多く溢れるほどの盛況ぶりでした。

社内新規事業に光を当てた日本新規事業大賞

日本新規事業大賞は、スタートアップ企業・大手事業会社・投資家など、スタートアップ産業に関わるすべての人が一堂に会した展示会「Startup JAPAN 2025」(2025年5月8~9日/東京ビックサイト)内で開催されました。企業から生まれる新規事業にスポットを当て、成功事例を表彰することで、事業会社内で挑戦する起業家マインドを持つ人々を応援、挑戦者同士のつながりを生み出すことを目指しているものです。昨年初開催に続き第2回目となる今回は、ゼロワンブースターと、株式会社アルファドライブ、Sansan株式会社、株式会社quantum、株式会社Sun Asterisk、株式会社Relic、株式会社ユニッジなど、新規事業の支援会社各社共同で行われました。

書類審査を勝ち抜いた7事業が最終プレゼンテーション

応募募集を2025年2月10日〜3月10日に行い、5月8日に最終審査を実施しました。最終審査では、応募総数約60事業のうち書類審査を通過した以下7事業が、最終プレゼンテーションを行いました。

1,あおもり創生パートナーズ株式会社発 新規事業 
耕畜連携もみ殻事業
及川 大佑 氏
稲作が盛んな津軽地域で未利用となっている「もみ殻」を、畜産の盛んな県南地域の畜産事業者が有効活用する「耕畜連携」。より効率的なもみ殻の梱包技術や運搬手法に関する実証事業に取り組んでいる。地域企業発の全国展開が期待される。
 
2,日本製鉄株式会社発 新規事業
製造業を横につなぐプラットフォーム「KAMAMESHI」

小林 俊 氏
https://kamameshi.com/
設備と予備品管理をメインにした会員制プラットフォームを通じて、サプライチェーンで縦につながる製造業界構造を横につなぎシェアリングを可能とすることで、機能を補完し合う仕組みを構築している。大手企業の力に加え代表小林氏の行動力が備わり、成長が期待できる事業。
 
3,キリンホールディングス株式会社発 新規事業
キリンのAI予測を使った薬局版・処方薬の置き薬「premedi」

田中 吉隆 氏
https://premedi.kirin.co.jp/
調剤機会の少ない医薬品「ロングテール在庫」の予測の難しさこそ、在庫管理の複雑化、廃棄の増加など、薬局が抱える様々な課題の原因。キリンのマーケティング技術を活用し調剤薬局向けに独自開発したAIで、数千店舗の処方データをもとに「ロングテール在庫」の需要予測する。また「置き薬」方式により医薬品廃棄を防ぐ。医薬品流通構造を変える可能性がある。
 
4,リコーグループ発 新規事業
廃棄物分別特化AIエンジン ”Raptor VISION”
田畑 登 氏
https://www.pfu.ricoh.com/raptor-vision/
廃棄物分別を、スキャナー開発で長年培ってきた光学技術・画像認識技術を応用し、自社で開発した独自アルゴリズムで自動化するサービス。より多くの廃棄物を選別し再資源化のサイクルを加速する。循環型社会の実現が期待される。
 
5,ANAホールディングス株式会社発 新規事業
ANA Study Fly
渡海 朝子 氏
https://anastudyfly.com/
パンデミック時の航空業界低迷から生まれたタレントマネジメント事業。多彩なスキルや技術を持った現役専門職社員のノウハウを講座やワークショップとして企画し、個人や企業へ提供。主なスキル提供は、語学、ワイン、キャリア、コミュニケーション、カラーコーディネート、ヨガ、旅など。現在は法人や組合、コミュニティ向けのワークショップ型やコミュニティ活性化型が伸びている。
 
6,株式会社NTTドコモ発 新規事業
はたらく部/HR高等学院
山本 将裕 氏
https://replayce.co.jp/
まざまな企業と連携し、社会とつながる学びの体験を提供。オンライン・オフライン両方を活用し、基礎学力を育てる教科学習も組み込んでいる。2025年4月には通信制高校サポート校を開校、高校卒業資格の取得や大学進学なども視野に入れた幅広いキャリアを目指すことができる。
 
7,株式会社NTTドコモ発 新規事業
MetaMe
吉田 直政 氏
https://official.metame.ne.jp/
孤立や孤独を解決するサービス。誰もが「わたしらしさ」を表現、人やAIとの会話をきっかけに、共通の価値観を持つ人同士で繋がることができる、新しい形のコミュニケーション空間。超多人数が同時に同じ空間にアクセスでき、AIと共存して個人と社会をつなげる空間を提供。現時点で約19万人の登録があり、成長が期待できる。

各社、熱量・エネルギー・迫力のあるプレゼンテーションを繰り広げ、審査は大接戦

審査は下記のとおり、7つの基準をもとに、7名の審査員によって選定されました。

<審査基準>

▪ Why you
▪ Why your company
▪ 顧客、課題
▪ 提供価値、解決策
▪ 事業性
▪ スケーラビリティ
▪ 所属企業で実現することの想い、所属企業へのインパクト

< 審査員(順不同)>

▪麻生 要一 株式会社アルファドライブ 代表取締役社長 兼 CEO
▪池田 陽子 経済産業省経済産業政策局 競争環境整備室長
▪井上 一鷹 株式会社Sun Asterisk General Manager
▪及部 智仁 株式会社quantum 共同創業者 会長/博報堂フェロー/東京科学大学 特任教授
▪北嶋 貴朗 株式会社Relic 代表取締役CEO / Founder
▪合田 ジョージ 株式会社ゼロワンブースター 代表取締役
▪土成 実穂 株式会社ユニッジ 代表取締役Co-CEO

会場は活気の中、各社どのプレゼンテーションも熱意溢れるもので、審査は難航しました。その中で大賞に輝いたのは、キリンホールディングス株式会社発「premedi」田中吉隆さん、オーディエンス賞に輝いたのは、日本製鉄株式会社発「KAMAMESHI」小林俊さんとなりました。大賞を受賞された田中さんは、「社内新規事業はこのようなピッチをする場がほとんどなかったので、皆さんの前で登壇でき評価いただけて嬉しい。協力いただいた皆さんと何よりもチームメンバーのおかげなので、感謝を申し上げたい。」と話していました。ゼロワンブースター代表の合田は、「新規事業は、5,6年前は小さくてもとにかくやってみようとする動きだったが、その時代は終わった。100億や1,000億などの事業が当たり前になってきて、大型化の新規事業時代が到来したことを感じた。」と感想を述べていました。授賞式後の懇親会にも多くの人が参加し、大盛況のうちに幕を閉じることができました。

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