事業創造に関わるすべての人に

メルマガ登録

日本に埋もれた IP を世界に届けるインキュベーター(Chammi 武井梨名氏)

2月12日、東京・丸の内の Tokyo Innovation Base にて、東京都主催女性ベンチャー成長促進事業「APT Women」第10期の成果報告会が開催された。
今期も多数の応募の中から選抜された40名の女性起業家がプログラムに参加し、約半年間にわたる国内プログラムと海外プログラム(ニューヨーク・シンガポール)を経て、事業の成長に取り組んできた。

成果報告会では、受講生を代表して5名の起業家が登壇。
本稿では成果報告会に登壇した Chammi の取り組みについてご紹介する。

Chammi は、日本に埋もれたコンテンツ IP(知的財産) を発掘し世界に届ける IP インキュベーターだ。
代表の武井梨名氏は、アメリカで日本 IP の海外進出を支援する中で、市場成長の恩恵を受けているのはほんの一部のメジャー IP のみであるという課題に直面した。

日本には膨大な数の IP やクリエイターが存在するが、従来の海外展開はメジャー IP に長期大型投資をして大きなリターンを得るモデルが主流であり、小規模新興 IP は検討の俎上にすら上がらないのが現状だった。

そこで Chammi はまだ世の中に知られていない可能性を秘めた IP にフォーカスし、「シードステージ向けの高速軽量な IP インキュベーション」を行う。
獲得競争の激しいメジャー IP と比べてブルーオーシャンであるため、柔軟な条件での版権獲得が可能だ。

それらを広く認知させるフォーマットとしてアニメを活用し、放送枠に縛られず SNS で直接世界中に届ける。
一方で昨今のアニメ業界は制作スタジオの人材不足が課題となっていることから、地方都市に AI 映像制作スタジオを設立。
自社の制作システムを活用し、地方に眠る人材を「AI クリエイター」という新たな職能で育成する取り組みを進めている。

武井氏はAPT Women 期間中の成果として、エンジェルラウンドのエクイティ調達と補助金による開発資金を確保し、短期的な制作実行と中長期的な IP 育成の両方に着手できる体制を整えたことを共有した。

自治体連携もスタートし、AI 制作スタジオの設立やローカル人材の採用で連携を進めている。
IP 事業では、キッズ向け IP プロジェクト「カンジモンスターズ」のメディアミックス展開や Roblox ゲームへのライセンシング、PS1黎明期から活躍してきたゲーム開発者との共同による AI アニメーションフィルムの制作(2026年3月公開予定)、自治体・観光分野でのアニメ活用プロモーションなど、複数のプロジェクトがリリースフェーズに入っている。

シンガポールプログラムでは、IP コラボ先やライセンス契約先の開拓、自治体インバウンドでのアニメ活用の取り組み決定、代理店との連携開始など具体的な成果を得たと述べた。

AI 映像制作スタジオの競合との差別化について問われた武井氏は「長くエンタメ業界にいたメンバーによる IP ホルダーとのネットワークや企画プロデュース力を活かし、単なる映像制作ではなくメディアミックスやイベントを含む複合的なプロデュースを一貫して行えるところが強み」と語った。

facebook twitter line
記事のタイトルとURLをコピー コピーしました コピーに失敗しました