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小学館アクセラレーターでチーム一丸となって進化!離乳食宅配サービスのFUNFAMが贈る、「親子のかけがえのない時間」。

「どうしても偏食になってしまう」「頑張って作ったけれどなかなか食べてくれない」「パパも手伝いたい。けれど、どう手伝えばいいかわからない」など、子育て家庭において離乳食は悩みごとの一つ。「小学館アクセラレーター」で優秀賞に輝いたFUNFAM株式会社は、何万人もの声を聞きながらさまざまな取り組みでママたちをサポートしてきました。今回は、FUNFAM株式会社 創業者/FOUNDERの藤岡恒行さんと、本プログラム主催の株式会社小学館集英社プロダクションでカタリストとして伴走したコーポレート本部の長谷沙也加さんにお話をうかがいました。

(聞き手:01Booster 小川香織/文章:01Booster 水野亜依子)

左から、01Booster小川、FUNFAM藤岡さん、小学館集英社プロダクション長谷さん

目次

  1. 料理研究家の妻、YASUYOさんが自信を持って勧めるものだけをお届け。
    離乳食宅配サービス「ごかんごさい®」
  2. 他で類を見ない大所帯!カタリスト約60人がグイグイと牽引!
    子どもたちの未来に種子をまく「小学館アクセラレーター」
  3. カタリストが第三者として、乳幼児を抱えるママにインタビュー。
    浮き彫りになった、今の時代のママならではの悩み
  4. 子育てもジェンダーレスの時代へ。
    クラウドファンディングで提案する「パパの育児参加」

料理研究家の妻、YASUYOさんが自信を持って勧めるものだけをお届け。
離乳食宅配サービス「ごかんごさい®」

——FUNFAMさんは元々、竹食器などを作っておいでですが、今回は「ごかんごさい®」というボックスの事業でご一緒しました。

藤岡さん:「竹のように子どもに育ってほしい」というコンセプトで、竹でできた食器を作ってきました。これで12年目になります。きっかけは娘のアレルギーでした。なるべく化学物質が入らないようにと色々探したのですが、世の中になかなかなく、一から我々が作ろうとなりました。当初はお金が全然なくて、両国の職人さんが思いを汲んで1つめのサンプルを作ってくれたんですよ。それが世界的に有名な賞を獲得して、今では、子どもの安心とか、SDGsの面で注目をいただいています。

その後、食器だけでは食物アレルギーの課題解決や、ウェルビーイングの世界を実現できないということで、7年ほど前から自然なものをできるだけ取り入れた離乳食を提供し始めました。でも、離乳食教室には年間100回、のべ1万人の会員の方がいらしていたのですが、コロナ禍でそれが中止になって。それで考えたのが「ごかんごさい®」です。

「ごかんごさい®」は離乳食期に必要な食材が完成品として届く、手軽なミールキットです。加えて、コロナ禍ならではの非接触対応としてオンラインの離乳食教室を開いています。五歳までに五感を育むという点では、食器のコンセプトにも近いサービスです。

「ごかんごさい®」サイトより:https://www.clubyasuyo.com/gokangosai/
(2022年1月23日現在)

他で類を見ない大所帯!カタリスト約60人がグイグイと牽引。
伴走支援しながら、「何か新しいもの」をともに生み出す

——続いて「小学館アクセラレーター」についてお聞かせください。

長谷さん:私は小学館集英社プロダクションという会社に所属しています。当社では、キャラクターライセンスビジネスを中心としたエンタテインメント事業、幼児教室や保育園の運営などの幼児向け事業、また公共施設の受託運営や生涯学習といった教育事業を展開しています。「小学館アクセラレーター」は、小学館とShoProが共同で、初めて開催したプログラムでした。

当社も、小学館も、恐らく同じような課題感を持って、このプログラムをやろうと考えたのだろうと感じています。

長谷さんの感じていた課題

・新しい事業やコンテンツを開発する時になかなか前に進まない
・プロジェクトを結成するものの、ゆっくりしたスケジュールで、プロジェクトが進んでいるかどうか分かりにくい
・組織が縦割りになってしまい横連携が難しく、社内リソースを活かしきれない

これは大企業あるあるという風に聞きました(笑)。それをスタートアップの力を借りて、一緒にスピード感を持って進めていく。また、スタートアップや01Boosterさんから刺激を受けながらイノベーションマインドを醸成するなど、人材開発や風土改善というのも目的の一つだと理解しています。我々はプログラムにおいてスタートアップの伴走支援をすることがメインではあると思うのですが、それをしながら一緒に、何か新しいものを生み出せないかと探っていくことが大事だ、と私は思っています。

本プログラムのテーマは「子どもたちの未来に種子をまくイノベーション」。お子さまの成長などに関わるものであれば、デジタル分野でも食の分野でも広く応募を受け付けました。140件のご応募の中から10社を採択して、私はご縁があってFUNFAMさんをご担当することになりました。

——保育事業などのノウハウをお持ちのShoProさんとFUNFAMさんは、相性ピッタリでしたね。小学館アクセラレーターのカタリストは総勢60人くらいと、類を見ないほどの大所帯でしたが、皆さん前のめりで。先程おっしゃった「大企業あるある」は全く感じないくらいのスピード感で、グイグイ引っ張ってくださった印象があります。

カタリストが第三者として、乳幼児を抱えるママにインタビュー。
浮き彫りになった、今の時代のママならではの悩み

——アクセラレーター期間は、どのような取り組みをしたのでしょうか?

藤岡さん:もう長谷さんに頑張っていただいて、感謝しかありません!(一同笑)

長谷さん:2020年11月から4月中旬までの期間で、たくさん話し合って、色々やりましたね。まず、会員の方や弊社の社員、カタリストの友人など、実際に乳幼児期のお子さんがいる13人の方に、一人1時間ぐらいインタビューしました。当時の「ごかんごさい®」をどう思っているかとか、会員の方には実際に使ってみて思うところ、日々どのような生活を送り、どのようなことを考えているかをうかがいました。それでペルソナを作って、商品改善に活かしたことが、一番大きかったと思っています。また、できる範囲でPRもやりました。

藤岡さん:「ごかんごさい®」のサービスを始めたのが11月末。ちょうどアクセラレーターと一緒にスタートしました。PMF(プロダクトマーケットフィット)に近づくために、カタリストの皆さんが一致団結して、色々な形で試行錯誤したり顧客の声をひたすら取り続けたりしてくださいました。どうしても僕らではインサイトが掘りきれなかったり、バイアスがかかったりしてしまうもの。コロナの中で苦悩している母親像というか、時代感が5年前とは違っていて孤立していたのが大きかったなと思います。

長谷さん:それこそ、今回のクラウドファンディングのテーマにつながります。私は子育て経験がないのですが、いろんなママさんに話を聞いていく中で、ママたちの子育てと自己効力感の関係を意識するようになりました。

多くの方はお勤めの方で、インタビュー時は産休や育休中でした。たぶん、それまではバリバリ仕事をしていて、でも子育ては初めてで探りながらやっいて、気づいたら色々抱え込んでいた。そんな中で頑張りすぎてしまっているからか、「こんなに頑張って作っているのに全然食べてくれない」「もう少しパパに育児に参加してもらえたら気が楽になる」などのコメントがありました。また、九州や名古屋をはじめ、地方にお住まいの方には「近くに気軽に相談できる人がいない」というお悩みをうかがいました。そういった負の要素によって、どんどんママが自信をなくして疲れてしまっていたのではないでしょうか。

インタビューを通して、ママたちが不安なことや、その課題はなんだろうというところを私たちなりに見つけに行きました。ママがモチベーションを持って離乳食を作れるように食事やレシピで支えてあげて、赤ちゃんに美味しく食べていただく。その赤ちゃんの笑顔や発育が目に見えてわかることでママの自信につながることがわかりました。あとは、会員の方はYASUYOさん信者といっても良いくらいのファンで。そんなファンから支えていただいているのがよくわかり、そこがこの商品の根幹なのだと思いました。

「ごかんごさい®」が配布しているメニューの一部。レシピがついているので安心。

——インタビューすることで、当初の「都会に住まいのセレブ志向なママ」からペルソナがかなり変わりましたよね。それに呼応してコンセプトもボックスに入れるものもどんどん改善して。あのスピード感はスタートアップならではでした。

長谷さん:最初に立てていたペルソナも間違ってはいなくて、高収入な方とか、バリバリに働いているママも多かったです。ただ、住んでいる場所とか収入よりも、「本当に子どものためであれば良いものをあげたい」「良い教育をしたい」など、感度が高くて真面目で一生懸命なママたちが多かったのは発見でしたね。

藤岡さん:現在は夫婦共働きも多く、時間がない。とはいえ、全てレトルトや出来合いのものでは「ちゃんと作ってあげられなかったな」と自信をなくしてしまう。罪悪感が増えると自己肯定感の低下につながってしまいます。僕らのやり方は「これを使えば時間は短縮できます。でもある程度は手間をかけていただきます」というもの。「ひと手間の愛情」というのがポイントかなと思います。それによって自己肯定感や自己効力感が上がったと実感した方が、続けてくれていると思います。

僕たちは毎月レシピカードをお届けしているのですが、これを集めてくださっている方がいて。自分たちでフォルダーを買って貯めてくれていたんですね。そういう方が他にもいるのではということで、皆が集められるようにクリアファイルを用意しました。

長谷さん:良いですね!そのレシピも、形とかどういう風に管理してるのかもインタビューで聞きました。チームでも「冊子が良いんじゃないか」とか「冷蔵庫に貼れるから紙の方が良い」とか、色々な意見が出ましたよね。

藤岡さん:箱を開ける時のことを大切にしました。一年間使い続けた人には「卒業証書」も用意したんですよ。するとTwitterにアップしてくださった方もいて。嬉し泣きを見た時には、我々がやったことには意味があったんだなって思いました。自分が頑張っていたってことの証明になっているんですよね。子育てって孤立の「孤育て」と言われることがありますが、「頑張ったね」という承認を実感できることがこのサービスのコアだと思います。

長谷さん:お子さんのことをメインに考えて、お子さんを育てるママさんの細かい課題や悩みに気づいて、そういう細やかに寄り添うサービスはFUNFAMさんならではだなと。冊子とか賞状もそうですが、保育園の入園のために必要な食物リストとかも、インタビューをする中で職場復帰をされる方が多くて、そういった方々の声をもとに企画しました。そこにYASUYOさんのお人柄もあって、とても素敵だなと思っています。

子育てもジェンダーレスの時代へ。
クラウドファンディングで提案する「パパの育児参加」。

——デモデイでプログラムにはいったん区切りがつきましたが、現在はクラウドファンディングで検証をなさっていると思います。どのような検証をなさっているのでしょうか?

藤岡さん:もう一つのインサイトとして、コミュニティや離乳食相談会などでの協力関係がありました。でも、東京と違って地方にはあまりなく、これをソリューション化できないかと。そこで注目したのが、核家族化が進む中でのパパたちです。パパが育児参加することでママの負担が減り、子育ての孤立化が防げるのではと考えました。

長谷さん:FUNFAMさんも順調に会員が増えていく一方で、「合わないな」とやめてしまう方も中にはいらっしゃって。「楽したい」ではなく「少し手抜きはしたいけどで自分の手でひと手間かけて美味しいものを作りたい、赤ちゃんと向き合う時間を大切にしたい」とか、YASUYOさん、FUNFAMさんの食育というコンセプトに共感する人の方が長続きすることがわかりました。そこで、ストーリーをきちんと伝えて、共感していただいた方に手に取っていただこうと、クラウドファンディングに挑戦しました。

——先輩ママから「子育てを振り返ってみたら大変だったけど楽しかった」という声もありましたし、パパも一緒にできるとより楽しそうですね。

長谷さん:料理が得意なパパもいるかもしれませんが、離乳食って少し違うものなので、チャレンジしづらいところもあると思うんです。でも、食材もレシピも作りやすいものをYASUYOさんが考えてくださって。一緒にムック本も入れて「ごかんごさい®」の想いとか食育に対する考えなどをお伝えしています。成功体験や先輩ママのコメント、専門家の意見などの自己効力感が高まる説得要素を、パパやママへ押し付けにならないようにきちんと伝えて、「やってみよう」と背中を押しています。FUNFAMさんの食器や、離乳食の鮮やかさに触れてもらうための瓶もついているので、赤ちゃんの視覚刺激にもつながるのではないでしょうか。

藤岡さん:子育てもジェンダーレスの時代が来ると思います。女性の育児負担や家事負担が大きく、復職しづらい。女性が活躍できるようにするには、継続して社会整備していくことが必要です。「ごかんごさい®」の新しい取り組みとして共働きを支援していきたいですね。

また、全てが完成したものではなく、プロセスがあることで得られる学びがあると思います。「親として、子どもにこれだけの経験をさせた」というのが、自己肯定感につながるのではないでしょうか。

長谷さん:インタビューやYASUYOさんのインスタライブで、お子さんに「食べさせる」ことに多くの方が悩んでいることがわかりました。ひっくり返って泣き喚いちゃうとか、こぼしちゃうとか。こういったことの解決はShoProの得意領域だと思っています。運営している施設の保育士さんとか園長先生、栄養士さんの意見を取り入れました。「この食材とレシピなら、この声がけをするといいですよ」などのママの声掛けと表情をアドバイスしたり、「じゃがいもを冷ましてほぐしたものを揉んでみる」とか「そうめんをパキパキ折って遊んでみる」とか、調理の過程にも食育を反映させてみたり。子どもの教育としては良い経験になることをご用意しているところです。クラウドファンディングの締め切りは1月24日(月)で、お届けは4月予定です。ぜひよろしくお願いします!

「ごかんごさい®」のクラウドファンディングについて

パパも参加できる。離乳食づくりサポートプロジェクト
支援募集:2022年1月24日(月)23:00まで
詳しくは https://readyfor.jp/projects/5KAN5SAI_2
※上記クラウドファンディングは終了いたしました。ご興味、購入をいただきました皆さま、ありがとうございました!

——最後にメッセージをお願いします!

長谷さん:育児を頑張るファミリーにどこまでも寄り添っているのが、FUNFAMさんと「ごかんごさい®」の良いところ。それは商品やお客さまとの接し方にも現れています。ただ送るのではなく、ママの相談にも悩みにも応えてあげて、ちゃんと離乳食の作り方も教えてあげていて。皆さん手に取ってみてくださいね。

また、当社ならではの食を通じた教育をお届けできるのでは、引き続き何かできたらなと思っています。

藤岡さん:FUNFAMとは「Fun in the family」の略で、家族に笑顔を届けるのがコンセプト。「食べてくれない」とスプーンを持って子どもを追いかけ回すことが家庭では日々行われています。これを解決したいですね。親が笑顔になったら、子どもも笑顔になるものですから。

また、幼稚園や保育園への入園前にたくさんの資料を渡されて、色んなものを作って食べさせなくては預けられないということが起きています。これはかなりのプレッシャーで、悲壮感が漂ってしまう。そこで現在、当社の商品を一定期間やることでこの食物リストをクリアできるようにしようとしています。さらに、園と家庭のやりとりのデジタル化にも取り組み始めました。

これからは「味わう」とか「実際に体を動かす」などの教育がさらに進むと考えています。単純にテキストで見せるよりも、体験化した方が脳に刻まれ、それは伝える力とか言語能力に関係してきます。五歳までに五感を育む世界を作るために、「ごかんごさい®」は終わりなくアップデートをし続けたいと思っています。

——今後のアップデートも楽しみです!今日は本当にありがとうございました!!

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