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01Boosterへの出向で社内新規事業を加速【明治様 出向者の声】

※こちらの記事は過去の2024年7月3日実施ウェビナー「事例で解説!外部環境を利用するスピーディーな新規事業の立ち上げ方」を一部抜粋した内容になります。

社内新規事業を促進させる出向型事業開発プログラムとは?

新規事業制度を何年も推進しているものの、なかなか成果が出ない(サービスのローンチさえままならない)というお悩みの声をよく耳にします。
社内で進めるには社内ルールによる制約や本社ブランドを毀損してしまわないかという懸念など、配慮すべきことが多く、スピード感を出すのには大変な苦労がつきものです。

一方で一足飛びに出向起業や子会社化、スピンオフ/スピンアウトといった思い切った方針を取るには判断も難しく、手続きも煩雑なものになってしまいます。
そんな課題をお持ちの方に01Boosterが提供しているのが、01Boosterに出向いただき外部環境を利用することで新規事業開発のスピードを加速させるサービス〝Intrapreneur Beyond Residence〟です。

実際に明治様から01Boosterへ出向し事業を推進されている方に、外部環境を利用することで得られる多くのメリットや出向の感想をお聞きしました。

■登壇者紹介(※最新情報か、当時の肩書です文章入れる)

藤本 和英
株式会社ゼロワンブースター
FRESH CHEESE STUDIO 事業責任者

meiji Business Development という社内新規事業プログラムに公募で選ばれたメンバー。
8ヶ月に渡り新規事業プランを策定し、事業化検証フェーズに進んでいる。
事業化検証フェーズではゼロワンブースターに出向し、スピーディーな事業立ち上げを進め、5/31にフレッシュチーズの新ブランドFresh Cheese Studioを発表した。

小森 素晴
株式会社ゼロワンブースター
FRESH CHEESE STUDIO 事業責任者

meiji Business Development という社内新規事業プログラムに公募で選ばれたメンバー。
8ヶ月に渡り新規事業プランを策定し、事業化検証フェーズに進んでいる。
事業化検証フェーズではゼロワンブースターに出向し、スピーディーな事業立ち上げを進め、5/31にフレッシュチーズの新ブランドFresh Cheese Studioを発表した。

川岸 亮造
株式会社ゼロワンブースター
Intrapreneur Beyond Residence 事業責任者

1982年生まれ。麻布高校を経て東京理科大学を卒業。株式会社日本能率協会コンサルティングにて、商品企画・コストダウン・チームビルディングといったテーマを中心とした経営コンサルティング業に従事。その後、2012年に株式会社KOMPEITOを共同創業し、2014年にローンチしたオフィス向け福利厚生サービス「OFFICE DE YASAI」で注目を集める。同社ではVCからの資金調達だけでなく、キユーピー株式会社との資本業務提携やRIZAP社との協業なども進め、2019年まで代表取締役を務める。
2021年に同社を離れてからは、トータルブランディングエージェンシーの株式会社フラクタにジョインし、同社の社内新規事業開発の責任者を務めるとともに、2022年9月からは同社にて取締役も務める。同時に、個人では株式会社01Boosterにも業務委託としてジョインし、大企業の社内ベンチャー制度の運用および各起案者のメンタリング支援、プログラムを通じた社内風土改革に従事し、プログラムで採択されたプランの市場ローンチ、1→10フェーズの支援も行っている。
また、2023年度東京都女性起業家支援事業(APT Women)においてもメンターも拝命。
2024年4月、これらの経験を活かし、株式会社01BoosterにてIBR事業の開発をスタート。コンサルタント経験・起業経験・社内起業家支援/起業家支援経験を元に推進中。

社内起業の背景「できたて乳製品の可能性を広げたい」

藤本さん:事業名であるFRESH CHEESE STUDIOには、「できたて乳製品の可能性を広げる」という想いを込めました。私達は元々明治でチーズから牛乳まで広くミルクの美味しさをお客様に届けていたんですが、ブッラータチーズのようなフレッシュチーズのご提供を通して、よりフレッシュな美味しさを、希少性の高いもの・風味豊かで新しい可能性を広げるものとして届けていきたいと考え、この事業を立ち上げました。 

小森さん:もの作りに関しては私の発案でして、イタリアの乳製品工場へ出張に行かせていただいた際に、現地の方が製造ラインにガバッと手を突っ込んで、できたてのものを食べてみろと渡してくれたんです。それを食べたときの美味しさが本当に印象的だったので、何とか日本でも食べられるようにしたいと考えていたことが発端でした。

川岸さん:事業の内容と商品について少し補足させていただくと、明治さん本来の事業としてプロダクトを提供しようとすると、小売店でチーズを販売するということになります。一方で、フレッシュチーズは美味しいままなかなか届けるのが難しいとされている食品でした。通常イタリアとかから輸入されるような販売ルートでは「工場でフレッシュチーズを作り上げてから冷凍して輸送する」のですが、そうするとどうしても風味が落ちてしまう。そこで「チーズにする手前の状態で冷凍して全国に届ける」という特殊な冷凍方法を導入することによって、日本でもできたてのブラッターチーズの美味しさを感じていただくという事業です。

外部環境でスピード感と成果を意識した働き方を実感

小森さん:出向して一番驚きがあったのはスピード感ですね。やはり私は13年近く明治にいたので、いかに自分が社内への説明に時間を取られたかに気づきました。出向中は川岸さんにレクチャーいただきながら、意思決定がすぐにできるので、事業を進めること、必要な試行錯誤に時間を使えたというのが率直な感想です。

川岸さん:これまで社内で説明をしなきゃいけない場面が多かったんですね。

小森さん:そうですね。特に課長・部長・本部長、と階層がどうしてもたくさんあるので、基本的にそれぞれに対して毎回全部を説明する必要がありました。アポ取りだけで2ヶ月ぐらいかかっていたと思います。それが1時間で終わるので、スピード感の実感は大きいです。

藤本さん:新しいことに取り組むと決まった後に、早期ストップをかけられないかというストレスから距離ができたと感じます。新規事業として会社の外側に向けてエネルギーを開放したいけれど、内側から「それ意味あるの?」「それ趣味でやってるんじゃないの?」など圧力を受けることがありました。それをきっかけに気付きを得ることもありますが、事業としては短い期間で成果物を出すことにエネルギーをかけられる方がいいなと感じます。

川岸さん:大企業で社内起業に取り組まれていると「社内調整にリソースをとられて事業化が進まない」「予期せぬタイミングでいきなりストップをかけられた」という話はよく耳にします。藤本さんと小森さんは、この事業化の検証を1年間行うという形で出向いただいていますが、事業化に集中できたのであればよかったです。

次につながる失敗をする重要性を学べた

小森さん:「スタートアップでの事業化の検証」というのは、何でも失敗していいと思われがちかもしれませんが、実態は失敗したときのリスクがどれぐらいになるかをちゃんと確認して、見極めた上でやる」なんですね。失敗は必ず発生するんですが、その失敗したものを次に繋げられるぐらいのリスクを取って進めていく、というのは半年を振り返って一番学んだことです。 

川岸さん:出向してこられた最初の一、二ヶ月に毎日のように、「失敗すること自体は、良いチャレンジができてれば問題なくて、失敗することが前提の上でそこから何か学べるものがあるような失敗をしましょう」とお伝えしていました。

具体的に言うと、最初のビジネスプランでは早い段階から「自社の店舗でやる」という話が出ていました。しかしこれを一気に進めてしまうと、もしチーズ自体がお客さんから全く受け入れられなかった場合、家賃と内装にコストをかけてしまったお店をどうするのか、という話になります。もっと手軽にお客さんに好んでもらえるか検証できる方法はありそうですよね、といったお話しをさせていただいた記憶があります。結果として、今回は軽井沢で金土だけに開店する店舗で試してみて、「この部分はよさそう」、「ここは注意しなければならない」といった箇所を確認し次の展開に備える。そういった形での検証を繰り返すようにしていますよね。

藤本さん:実証店舗で検証するのは改めて意味のあることだと感じました。やはり、お客様からその場で素直なお声をいただけるのは大きいです。

社内会議や机上では得られない『事業を動かす意識』が飛躍的に向上

藤本さん:ずれている可能性もあるんですが、行動のすべてが自分に返ってくるという意識があるので、やはり評論家にはならなくなったなと思いますね。社内であれば、部門ごとにある程度責任が分かれていました。たとえば私は営業と販売の開発をやっていて、その部門の責任は負いますが、全体を意識しても意識しきれてない箇所があったんです。だからこそ、何が起こっても自分に返ってくるという当事者意識がとても高くなっているなと思います。

川岸さん:うまくいくこともいかなかったことも、どちらも基本的に自分のおかげであり責任であるので、そういったところの自覚が変わってきたということですかね。

小森さん:私はもともともの作りがメインの方だったので、実際に販売するところをまったく担当したことがありませんでした。でもこの事業化検証のためにお客さんに直接会うようになると、販売員としての責任が発生しますし、直接お客さんの反応を見るということが事業の種にもなりますので、藤本さんと同じような責任感を持って立たなければいけないという状況に直面するようになったんです。より深い経験ができるというか、打ち合わせしているだけではない経験ができるようになってきて、かつそれによって自覚が芽生えてきた、というのが机上ではない経験をさせてもらっているなと思っています。

川岸さん:製造側としてこれまでお客さんの前に立って提供するというのはそこまで機会がなかったとこから今の状況を考えると、なかなかない変化ですよね。

今後の展開

川岸さん:今(ウェビナー実施当時)は軽井沢で実証店舗を出されてるところですよね。今どんな検証をされているかも少し教えていただけますでしょうか?

藤本さん:軽井沢の方で実証店舗という形で、シェフの方にお手伝いいただきつつ、自分たちで「フレッシュチーズを楽しむコース」というのを作り、お客様に実際にお金もいただいてその場で提供しています。北海道の十勝の生乳を使った「カード」と呼んでいるチーズの素を軽井沢で最終的に仕上げることによって、できたての美味しい風味を提供させていただいています。あとはチーズ自体に可変性があるのでたとえばブッラータを巾着状の形にできたり、スイーツにかけたりなど色々な楽しみ方をお届けしています。

川岸さん:今(ウェビナー実施当時)は、金曜土曜限定でチーズをメインにしたコース料理で提供している店舗が動いていますよね。 いわゆる通常のコース料理にチーズがついてるのではなくて、「チーズがメインのコース料理」という形で、本当にチーズ自体がメインディッシュになりうるのかどうかみたいなことのチャレンジをされていらっしゃいます。8月からは同じ軽井沢ですけれども、もう少し手軽な形での商品提供を進められる予定ですよね。

藤本さん:はい。今はサロンでお店を出していて、単価は高くても本当にいいものを届けるということで価値を感じてもらえるのかを検証しています。この後は旧軽井沢でもう少し手頃な価格帯での展開を試していく予定です。また、東京でも食べられる機会を作ることも検討しています。

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