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電通×CARTA HOLDINGSの共同事業。運用型テレビCMサービス 「テレシー(TELECY)」

株式会社テレシー ファウンダー 土井健さん

オープンイノベーションや、業界・業種を超えた提携、全社的な企業変革のその先で、大企業も中小企業も、スタートアップに負けない意欲的なチャレンジが求められている現在。企業の中の挑戦者に光を当て、挑戦者同士の出会いを生む場として「日本新規事業大賞 by Startup JAPAN」が企画されました。本稿では、2024年5月15日(水)に開催された同賞のピッチイベントの登壇企業が創造する新事業についてご紹介します。

従来のテレビCMに対する印象を、悉く覆すソリューション

株式会社テレシーのファウンダーである土井健さんは、これまでにアドテクノロジー事業のfluctの代表、事業開発会社VOYAGE GROUP(現:CARTA HOLDINGS)の取締役を歴任。2021年に運用型テレビCMプラットフォーム「テレシー(TELECY)」を提供する株式会社テレシーを創業しました。テレシーは、国内シェアNo.1の電通とネット広告を長年手掛けてきたCARTA HOLDINGSの両社の強みを融合させた共同サービスです。

土井さん:僕の周りの経営者の中には「月数千万のネット広告は出しているけれど、テレビCMはやったことがない」 という方もいます。そういう方に「なぜテレビCMをやらないんですか?」と聞くと、「テレビは高いから」「効果が見えないでしょう?」と。これを解消したら皆さんはテレビCMをやってくれるんじゃないかと考えて、TELECYのプロダクトに落とし込んでいきました。

これまで、テレビCMは「金額が高い」「効果が追えない」「PDCAを回せない」という印象を持たれていました。TELECYのソリューションは、これらをことごとく覆すもの。掲載期間、エリア、年代性別などのターゲットを絞って、GRP(視聴率)指標だけでなく、ネット広告に馴染みのあるimp/CPMなどの指標で事前にシミュレーションができ、配信地域などを限定すれば低額からテレビCMを放映することが可能となります。また、     CMを放送した後に、どのエリア、どの放送局、どの番組が良かったかを把握でき、悪かったものを良かったものに置き換えることでCMの効果を上げていくことができたといいます。

土井さん:いま4期目なのですけれども、3期目のところで垂直で事業が立ち上がりまして、売上は78億円を突破しました。電通との共同事業ですが、全て(自社からの)声がけでクライアントさんを獲得してこの成果になりました。

マーケティングの実践知を武器に変える

TELECYのユニークネスとして、「広告代理店であり、テクノロジーベンダーであり、広告主てある会社は世にほとんどなかった」と語る土井さん。立ち上げから3年間で広告主としてマーケティング施策に13億円を投下。いろいろな媒体を自分たちで試して、勝ちパターンを理解した上であらゆる広告を取り扱うに至りました。

Image credit: TELECY

土井さん:結果、タクシー広告とエレベーター広告に関しては、あるタイミングでは、大手代理店を抜いてTELECYが日本で一番売る代理店になりました。また、昨年マーケティング戦略の一環で本を出しました。実際に読んでいただいた経営者の方からたくさんお問い合わせいただいて、ここ経由で数億円受注しました。

本を書いたところ、いろいろなメディアに呼ばれるようになりまして。これもマーケティング活動の一個で。単にペイドでメディアを買うだけではなくて、トータル、立体的にやっていったからこそTELECYの成功に繋がったと思っています。

成功の秘訣は、イノベーションのジレンマを克服したこと

土井さんは、TELECYが成功した要因について、大企業・電通と元々ベンチャーだったCARTA HOLDINGSが協働してイノベーションのジレンマを克服したから伸びたのではないかと見ています。

土井さん:大手広告会社は数十億とか数百億の広告費を出すクライアントさんを相手にして、すごく効率の良いビジネスをやってきました。実際、昔から数百万・数千万でテレビCMはできたんです。でも、大手代理店のロジックとして、もっと大きなところに注力するみたいなところがあったのではないかと思っていまして。

それを新しい箱を作って、数百万とか数千万の顧客単価でも成り立つ前提でビジネスを作ったところが、TELECYが克服したイノベーションのジレンマなのではないかなと思っていて。それによって新しい顧客と市場を開拓できました。今までテレビを使わなかったために良いものや良いサービスが広まっていなかったところを、僕らが開拓したことで、広告主さんのものが世の中に広がるようになったところを見られて、この3年間良かったなと思っています。

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