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万全の支援体制でベンチャー企業をサポート。リコーアクセラレータープログラム「TRIBUS2022」の魅力とは?

今年度で4期目となる、リコーアクセラレータープログラム「TRIBUS2022」。本プログラムを運営している株式会社リコー・大越 瑛美さんをお招きして、どのようにベンチャー企業と連携しているのか、TRIBUS2022の魅力、実際に行っていることなどをお伺いします。

プロフィール

【登壇者】大越 瑛美さん|株式会社リコー
環境・エネルギー事業センター 地域プロジェクトG 兼 TRIBUS推進室
2008年リコージャパン株式会社入社。大手顧客向けプリセールスを経て株式会社リコーにおいて新規事業開発業務に従事。主にPRマーケティング、オープンイノベーションによる事業共創を担当。TRIBUSには2019年度サブリーダとして参画、2021年度キャプテンとして推進。
【聞き手】合田 ジョージ | 株式会社ゼロワンブースター
代表取締役 CEO
左から、01Booster合田、リコー大越さん

TRIBUS2022のテーマは“明るい未来をつくる”

合田:本日は、株式会社リコー様でアクセラレータープログラム「TRIBUS」(以下 TRIBUS)の事務局を務めている大越さんに、「スタートアップ企業との連携はこんな感じで進めています」というお話を語っていただこうと思います。

大越さんがこれまでのTRIBUSで、スタートアップ企業とどのような取り組みをしてきたかを教えていただけますか?

大越さん:2019年にスタートしたTRIBUSですが、当初はスタートアップ企業との連携に苦慮しまして、私たちも不慣れな中で日々勉強させていただきながら取り組んできました。

初期の事例でいえば、第1期はハードウェアのベンチャー企業さんにご応募いただき、当社の品質部門やハードウェアの量産設計の担当と、プロトタイプの量産化についてスタートアップ企業とリコー双方の観点をテーマにディスカッションさせてもらったりしました。

合田:TRIBUSってそもそも何?って方もいると思いますので説明をお願いします。

大越さん:TRIBUSはリコーグループが保有する全社のリソースをご活用いただけるアクセラレータープログラムです。リコーグループの創業者である市村清の“世の中のためになる”という起点から多くの事業を立ち上げたその精神に立ち返って、社内外関係なく事業を立ち上げる人材を応援するプラットフォームになりたいと思っています。

合田:今期(2022年)の募集はもう始まっているんですか?

大越さん:TRIBUS2022は“明るい未来をつくる”をテーマに、現在絶賛募集中で、応募全体の締切は8月1日となります(※1)。完全オンライン対応ですので、さまざまな地域のスタートアップ企業の皆さまにもご参加いただけます。

※1:2022年8月10日まで募集期間を延長することとなりました。

今年度は6つの募集領域を設定していまして、製造業向けのソリューションや製造現場のDXをテーマにした募集領域などがあります。

その他にも脱炭素社会や循環型社会という環境エネルギー関連テーマや、生産現場のスマート化をテーマにした領域もあります。これら以外でも、リコーグループのビジネス領域であればぜひご応募いただければと思います。

支援のパターンも従来の広範な支援をさせていただく「アクセラタイプ」に加えて、募集領域に合致するテーマに関しては事前に事業部門の社員とディスカッションする機会を設け、スタートアップ企業のスケールアップに貢献する「スケーラータイプ」など、昨年度からバリエーションを増やして対応しています。

リコーアクセラレータープログラムの詳細・ご応募はこちら

これまでの共創事例

合田:過去にはどのようなスタートアップ企業との共創が実現しているんですか?

大越さん:例えば2020年にご参加いただいた顧問助産師サービスを展開するWith Midwife(ウィズミッドワイフ)さんは、子育てに関するマーケティング調査をリコーグループ社員向けに実施して、その内容をプレスリリースとして配信しました。またサービスのベータ版を子育てに取り組む社員が体験させていただき、フィードバックするということでもご協力しましたね。

また、AIツールの開発を手がける東工大発のスタートアップ企業・KBEさんは、サービスの開発を一緒に行わせていただいて、リコーグループの社内で実践をさせてもらっています。

昨年度参加のユニフィニティーさんに関しては、アクセラレーター期間中に無償ベータ版のサービス提供を開始しています。

カタリスト、コミュニティ、サポーター。全方位からの支援体制

合田:スタートアップ企業とリコーとの窓口になるベンチャー連携人材・カタリストはどんな役割で、どのような活動をされているんですか?

大越さん:カタリストはリコーグループが保有するリソースとどう付き合っていくかを、スタートアップ企業と一緒に考えていくチームを編成して、スタートアップ企業1社に対して1チームで対応していく仕組みになります。

合田:スタートアップ企業の支援として「サポーター制度」や「TRIBUSコミュニティ」と呼ばれる制度があるとお聞きしました。

大越さん:サポーター制度は、「自身が持つスキルを使って社内外の事業化を支援したい」という意志を持ったメンバーに登録してもらう制度です。自由記述で特技や技能を記入してもらい、その中からスタートアップ企業が支援してもらいたいと思うメンバーを指名してもらいます。選ばれたサポーターは、本来の業務との兼ね合いも見つつ、ご支援させていただくという形になります。

TRIBUSコミュニティにおける、企業間コミニュケーション

大越さん:TRIBUSコミュニティは、リコーグループを横断して運営しているコミュニティです。参加者は、社内外の起業家やスタートアップ企業の支援に興味関心がある約1,400名が自主的に登録しています。

たとえばスタートアップ企業が開発したサービスのベータテストをコミュニティを使って行うのもいいですし、人数を活かしたインタビュー調査やマーケティングリサーチを実施していただくのもいいのかなと思います。

合田:スタートアップ側から見れば、さまざまな要望や意見を届ける相手がカタリストを筆頭に、リコーグループ全社の有志の皆さまにも頼れるということなんですね。

大越さん:そうですね。TRIBUS事務局も、カタリストとは別に事務局担当者も配置していますので、各担当者とスタートアップ企業の連携を調整したりと万全な支援を心がけています。

合田:多くの分野で事業を行っているリコーグループならではですね。非常に幅広い専門家がさまざまな支援をしてくれて、カタリストや事務局含めたフロントからの支援も手厚い。参加したスタートアップ企業からは相当ウケがいいんじゃないかと思うんですけど、どうですか?

大越さん:まだまだ足りない部分はありますが、思っていたよりも友好的なコミュニケーションが図れたとか、フラットな関係でプログラム期間を過ごすことができたという声はいただいていますね。

合田:スタートアップ企業の皆さまは、TRIBUSに応募してからどんな姿勢で向き合うことで、友好的で有意義な期間を過ごせると思いますか?

大越さん:とにかく遠慮することなく、やってみたいこと・こういうことってできませんか?という意見を、意志を持っておっしゃっていただくことだと思います。まっすぐ伝えてもらうことで、私たちもできる・できないを見極めながら、どうすればスタートアップ企業の想いを実現できるかなと考えながら、ご一緒させていただけると思います。

合田:お見合い状態ではなく、設備を貸してくださいとかね、ズバッと言うってことですよね。初期段階でニーズとシーズのすり合わせを本音でやっていくことで、時間を非常に有効に使えるんだという声を耳にしたこともあります。

PoCから協業までの末永いお付き合い

合田:質問がいくつかきています。「TRIBUSに応募したらM&Aの可能性はあるのでしょうか?」ちょっとお答えしにくい質問だと思いますがどうですか?

大越さん:TRIBUSとは別で投資部門はあります。まずはTRIBUSにご参加いただきながら、リコーってこういう会社なんだなと知ってもらうのも手なのかなと思います。

合田:TRIBUSそのものにはM&Aの仕組みはないけれど、別の部署に対して必要に応じてお互いをつないでいくという可能性はあると。

大越さん:そうですね。お互いの相性もありますね。

合田:次の質問は「TRIBUSに応募したらリコーから出資される可能性はありますか?」ということですが、いかがでしょうか。

大越さん:こちらもM&Aの話題と同じく、TRIBUSとして出資の機能は持っていないのですが、ビジネスユニットで出資の機能があったり、出資部門もありますので、それらとTRIBUSと連携することも可能です。

合田:「TRIBUS応募スタートアップ企業との協業や商品化について詳しく教えてください」との質問がきています。

大越さん:協業をどのフェーズと捉えるかにもよるんですけど、昨年度参加のスタートアップ企業は、リコーの360度ストリーミングサービスの中にその企業が開発した技術を一緒に入れ込ませてもらいました。

TRIBUSを担当して思ったのは、アクセラレーター期間中に協業や商品化が実現するケースもなくはないんですけど、少なくても翌年、翌々年くらいになってようやく話がまとまりリリースするというケースもありますので、少し長い目で取り組むのがいいのかなと思っています。

合田:一時的なお付き合いではなく、末永いお付き合いをさせていただくということでしょうね。

大越さん:はい。ご参加いただいたスタートアップ企業と、現在でも協業などの連携を前向きにご一緒するケースが多いです。

合田:かなり長い間、カタリストさんが関与して時間をかけて作り込んで世に出せるようになるという印象ですね。

次の質問は「リコーとしてCVCがあるという認識でいいのか?」とのことです。

大越さん:CVCというよりは、直接事業部門が出資するというのが過去にもあります。

合田:CVCかどうかというのは基本的に形の違いなので、あまりCVC持ってる・持っていないという視点よりは、出資をする・しないで考えると、出資をするケースもありますよということになりますかね。

大越さん:そうですね。

合田:「インフラメンテナンス現場のDXは応募可能でしょうか。将来的には、現場でのカメラとのハイレベルなミックスを考えています」という質問ですが、大越さんどうでしょうか。

大越さん:もちろん可能です。インフラメンテナンスはリコーグループのメイン事業にもなりますので、かなり親和性があるのではと思います。

合田:リコーさんは非常に広い分野に取り組んでおいでですので、何でもお待ちしてますという姿勢があると思うんですが、中でも印刷関係、オンデマンド印刷や、製造現場のDX化。あとは環境関係、生産現場のスマート化みたいなところもよろしいかと思いますので、ここは本当に前広にお考えいただいて、少しでも引っかかったらぜひご検討ください。では最後に大越さんからご応募を検討中の方にメッセージをお願いできますでしょうか。

大越さん:TRIBUSは4年目を迎え、常に模索し続けながら、ひとつずつ積み重ねながら前進しています。ご関心をお寄せいただいた皆さま、ぜひお気軽にご連絡いただけたらと思っております。たくさんのご応募お待ちしております。

リコーアクセラレータープログラム

「リコーアクセラレータープログラム TRIBUS 2022」は、2022年8月10日(水)正午まで応募を受け付けています。詳しくは以下のWEBサイトをご覧ください。

https://accelerator.ricoh/2022tribus/

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