東京都江東区の東京ビックサイトにて2024年5月15日（水）、企業内新規事業を表彰するイベント「日本新規事業大賞 by Startup JAPAN」のピッチイベントが開催。ファイナリスト5名が登壇し、初代大賞に先端素材によるミライの生活を提案する東レのスピンオフベンチャー、MOONRAKERS TECHNOLOGIES株式会社 代表取締役 西田誠さんが輝きました。

本イベントは、企業の可能性を拡げる事業を立ち上げ、それにより企業変革を成し遂げている、大企業／中小企業の新規事業に贈られる大賞です。企業内新規事業の専門家が集結し、事業案を多面的に審査します。

ピッチイベントにはMOONRAKERS西田さんのほか、歩行専用トレーニング・サービス「walkey」を提供する朝日インテック株式会社 基盤技術研究本部 鹿子泰宏さん、運用型テレビCMサービス「テレシー（TELECY）」を提供する株式会社テレシー ファウンダー 土井健さん、プログラミング教育サービス「embot」を提供する株式会社e-Craft 額田一利さん、素材開発における意思決定を支援するデータ解析クラウドサービス「WAVEBASE」を提供するトヨタ自動車株式会社 新事業企画部 事業開発室 WAVEBASEグループ 山口剛生さんが登壇。多彩な企業内新規事業をプレゼンテーションしました。

受賞に際して、MOONRAKERS西田さんは以下のようにコメントしました。

西田さん：本当に嬉しいです。ありがとうございます。本当はピッチコンテストが苦手で、今回も半分泣きそうな思いで作り上げました。一緒に登壇していただいた同じような想いで新事業に取り組んでいる仲間の皆さんと一緒に（壇上に）立てたからこそ、思いの丈をぶつけることができたのだと思っています。この賞に恥じぬように、これからもこのMOONRAKERSという事業をしっかりと育て上げて、日本に新しい価値、そして世界に通じる価値を創出したいと考えています。

　

素材は、普段の仕事自体が全てコラボレーションみたいな仕事で、どんなところにも関われると思っています。遠慮なくいつでもお声をいただきまして、一緒に日本を盛り上げて、そして、もう一度日本が世界で一番輝く国になる、そういうところに辿り着きたいと思っています。

また、審査員とプレゼンターを務めた経済産業省 中小企業基盤整備機構 審議役 石井芳明さんは、以下のように振り返りました。

石井さん：本当に接戦で、決めきれませんでした。ただ、大企業の中で資源を活かして、それを世の中に出すという強い想い、行動というところが、一歩抜けているのではないかと思いました。政策的に言っても、現在、日本の研究開発投資のうち民間部門の9割は大企業なのですが、実はそのうち6割は消えていくんですよね。それをもっと活かしていくというところ。

　

今日発表された皆さん同じだと思うのですが、MOONRAKERSは大企業の資源を活かしていく象徴的なプロジェクトだったのかなということで大賞に選ばれたのだと思います。もちろん他の方も素晴らしく、頑張っていただきたいと思います。

昨今、大企業における新規事業の新たな局面として、出向起業やスピンオフ・スピンアウトも注目を集めています。大企業に眠る人材や技術、資金などのリソースには大きな可能性があり、事業を成功に導く確率を上げるためにはこうしたアンフェアなアドバンテージをいかに得るかが肝要ともいえます。

本稿では、大企業の現場から新たな価値を生み出そうとする挑戦者の皆さんの実践事例として、各登壇者のプレゼンテーションを紹介していきます（クリックすると紹介記事が開きます）。

登壇者（登壇順）

朝日インテック株式会社発 新規事業
歩行専用トレーニング・サービス「walkey」
基盤技術研究本部 鹿子泰宏さん

株式会社CARTA HOLDINGS 発 新規事業
運用型テレビCMサービス 「テレシー(TELECY)」
株式会社テレシー ファウンダー 土井健さん

東レグループ発 新規事業
未来を織り成す:先端素材で 切り開く産業革新
MOONRAKERS TECHNOLOGIES株式会社 西田誠さん

株式会社NTTドコモ発 新規事業
プログラミング教育サービス 「embot」
株式会社e-Craft 額田一利さん

トヨタ自動車株式会社発 新規事業
素材開発における意思決定を支援するデータ解析クラウドサービス 「WAVEBASE」
新事業企画部 事業開発室 WAVEBASEグループ 山口剛生さん