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農業資源にデザイン要素を「枝もの定期便」が供給不足のヒットに by TRINUS/JAアクセラレーター第5期・優秀賞10社紹介

本稿はJAアクセラレーター第5期のビジネスプランコンテストのレポートの一部。優秀賞を獲得した各社をご紹介します。

日本各地に埋もれた資源をライフスタイルの価値に変えることを目指し、2014年に創業したのが株式会社TRINUSだ。佐藤真矢氏はこれまでに4,000名ものデザイナーたちをネットワークし、日本発となるユニークな商品の数々を生み出してきた。ヒット商品のひとつ、削りかすが花びらのようになる色鉛筆「花色鉛筆」はiF Design Awardや、日本文具大賞など、国内外のデザイン賞を受賞した。

そんなTRINUSが今、注目しているのが「枝」だ。日本にはもともと生け花文化があり、季節に応じた装飾として親しまれてきた。これらの日本独自の価値観と素材の魅力を活かし、TRINUSが培ってきたデザインのアプローチを融合させてサービス化したのが「枝もの定期便」になる。

「デザインのアプローチでは、枝を気軽に使った装飾やアイテムを提供しています。また、サービスのアプローチでは、定期的なサブスクリプションサービスとして枝ものをご自宅に届ける取り組みを行っていて大きく成長中です」。

一方、佐藤氏によると枝ものをこのような形で消費者向けに販売するケースは少なく、現在の需要に対して供給量が追いつかなくなる可能性があるそうだ。そこでプログラムに参加し、「枝の供給体制」を整備することを目指しているという。

「年末に近づくにつれて供給体制が厳しくなるため、この課題を解決したいと考えています。また、全国の農協や森林組合の方々と連携し、枝の栽培や供給のサプライチェーンを構築することも目指しています」。

枝以外にも森林には果実の皮や葉っぱ、土など、さまざまな資源がある。佐藤氏はTRINUSのクリエイターコミュニティを活用して、これらの資源を活かした新しいライフスタイルも提供したいと考えているという。

「農業資源がただのコストではなく、価値のあるものとして捉えられ、地域の雇用創出にも貢献できると信じています。私たちは地球環境の保全にも貢献しながら、全国のご家庭に自然のシーンや森林の美しさをお届けする活動を展開したいと考えています」。

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