おなかの弱い人に、食から課題解決を支援するグッテ|明治アクセラレーター2022
本稿は明治アクセラレーター2022のデモデイ(最終成果発表)のレポートの一部。採択された各社の共創活動をご紹介します。
潰瘍性大腸炎やクローン病等の炎症性腸疾患(IBD)の患者は全国に約30万人いると言われ、日常的に腹痛、下痢、血便などの消化器症状を抱えていることに加え、症状が悪化すると入院や手術が必要となることもあり、食事に悩む患者さんが多いと言われています。また、IBD のように腸の炎症を伴わないものの、原因不明の腹痛や下痢、便秘を伴う過敏性腸症候群(IBS)患者は全国で1,200万人に上ると言われます。
グッテは、IBD患者が専門家や他の患者に気軽に相談できるオンラインコミュニティ「Gコミュニティ」を運営し、製薬企業や患者会と協力しIBD患者向けのイベントの開催などを行うほか、いわゆる「おなかが弱い」人に対して、食事制限があっても、食事を安心し、美味しく、楽しめるための事業に取り組んでいます。
おなかが弱い人は、脂質が高い食べ物や添加物が多く含まれる食品、高FODMAP食(発酵性の糖鎖の短い炭水化物が含まれる食品)などで消化器症状が出ることがあり、ラーメン、ケーキ、クッキー、スナック菓子など、普通の人とって楽しみとなる食品を摂ることが難しいことも多く、生活の質に大きな影響を与えています。 こうした課題を解決するために、グッテは、明治アクセラレーターのプログラム期間中に、IBS患者向けに、安心と満足を両方兼ね備えた料理が作れるレシピサイト「グッテレシピ」をオープンし、100名以上の患者や家族にレシピの提供を始めました。また、プログラムを通じて、グッテは明治に、おなかが弱い人でも食べられるお菓子の製造を提案し、それが採択されました。
「当初のゴールとしては、試作品を完成するところまでいければいいなという提案だったんですが、明治のカタリストの皆さん、事務局の皆さんの支援があり、さまざまなことを実施・経験できました。」(宮﨑さん)
グッテでは、プログラム期間中に2つの新商品を開発しテスト製造を行うとともに、明治本社や坂戸工場など複数の売店で、開発した商品のテスト販売を実施し、購入者から得られたフィードバックを受けて、さらに製品の改善を進めています。
また、期間中、明治アクセラレーターや福寿園とのタイアップにより、おなか弱い人向けのお茶の体験学習ツアーなどのイベントも開催しました。さらに「低脂質」「低FODMAP」といった軸で食品が探せないというIBD患者らの声を受け、お腹が弱い方でも簡単に自分に合う明治商品を探すことができる期間限定の簡易検索サイトも立ち上げました。
「我々は食品開発の経験は一切無かったんですが、明治さんの多大なるサポートにより、計画・設計・実装・試食というアジャイル開発のループを何回も回すことができました。」(宮﨑さん)
明治アクセラレーター2022 デモデイの模様を公開中!
デモデイ当日の模様を収めた動画をWebサイトにて公開中です。
ぜひご覧ください。
https://01booster.com/program/meiji/
※一部非公開部分はカットしております